多くの文章は、次のように腑分けできます。
●話題提示
●で?
●それでどうしたの?
●もっと詳しく
●もっと詳しく(別の視点から)
●だから?(アクション促進)
以下、実際の文章をもとにこれを確認してみましょう。手元にある『日本語のまちがい探し』(高井ジロル・日本文芸社)の文章をお借りしました。
(話題提示)「まちがい探し」といえば、一般的には、よく似た絵や写真を二枚ならべて、異なっている箇所を探し出す遊びのこと。
(で?)新聞の日曜版や雑誌の息抜きコーナーなどで見かけるアレです。子供向けの絵本や、専門の雑誌も刊行されていますし、ファミレスのキッズ•メニューなどでも人気。難易度はいろいろでしょうが、ちょっととしたひまつぶしにちょうどいいピクチュア•パズルです。
(それがどうした?)
昔から親しまれてきたこのパズルを、絵や写真ではなく文字に置き換えてみたらどうかな、と考えて編集したのが本書です。
(もっと詳しく)
内容的には、まちがい探しパズルの文章バージョンだと思ってもらえればOK。日本語の文章を書くときによくまちがいがちな言い回しや、漢字の表記、四字熟語やことわざの使い方などを四百ほど精選し、四百字程度の文章にまぎれ込ませて四十の問題を作成しました。
(もっと詳しくー別の視点から)絵のまちがい探しではヴィジュアルの判別力が求められますが、本書で必要なのは、日本語を適切に使うための言語力。
(だから? アクション促進)
出版物の品質を守る最後の砦の役目を担うつもりで、日本語の文章のまちがい探しに取り組んでみてください。
もうひとつ、みてみましょう。こちらは同じく手元にあった『文章力の基本』(阿部紘久・日本実業出版社)からお借りました。
(話題提示)
「文章を書くのは苦手だ」「文章を書くのは苦痛だ」
と思っている人がたくさんいます。
(で?)
しかし私は、「基本さえ身につければ、文章を書くのは決して難しくない。むしろ、楽しい」と言い続けています。
世の中にはごく事務的な文章から、企画書、報告書、ビジネス・レター、プレゼンテーション原稿、さらには小論文、エッセーなどさまざまな種類の文章があります。しかし、「相手の理解と共感を得る」という目的はどんな文章にも共通しています。そのために踏まえるべき原理・原則も、大部分は共通していると私は考えています。文章の形が大きく異なっているように見えても、それぞれ別の書き方がある訳ではないのです。
(それがどうした?)
その「すべての文章に共通する土台の部分」を、この本で明らかにしようと思います。
(もっと詳しく)
それさえ身につければ、あらゆる文章が見違えるように明快に書けるようになります。
(もっと詳しくー別の視点から)
逆に基本ができていないと、どんな文章もまともに書くことができません。
(だから? アクション促進)
「企画書の書き方」「ビジネス・レターの書き方」などの目的別に細分化された本をひも解く前に、この本で文章力の土台をしっかりとつくってください。
以上、最初に提示した「型」通り、腑分けできることがおわかりいただけたかと思います。
この型の元になっているのがたかはし式三行作文術です。
たかはし式三行作文術→
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。