気が乗らなかったり、言葉の言い回しが思いつかなかったり、理由はさまざまだが、どうしても書けない時というのは誰にでもある。そんなとき、どうすればよいのだろうか?
次のようなやりかたをお薦めしたい。
まずは書きたいことを箇条書きにし、それを三行作文公式にそって並べてみよう。この際、表現が少々稚拙であっても、つながりが悪くても気にする必要はない。
それをいったんしばらく寝かせておいた後で見直すのだ。
一度意識を別のものに向けた上で時間をおいて見直すと案外うまい言い回しが浮かんでくるものだ。
この方法のメリットは、文章の幹となる骨組みがすでにできあがっているため、あとは枝葉末節の部分だけ見直すだけでよいことである。
公式に沿っているということは論理的に整合性がとれているということである。
すなわち表現レベルで無理やり論理的整合性をつける必要がないということだ。
問題なのは構成レベルで間違っている文章である。
構成レベルで間違っているというのは論理的に整合性がとれていないということを意味する。
論理的に整合性がとれていないのを表現レベルで無理やり繋ぎあわせようとするのは至難のわざである。
というより詭弁でも使わないかぎり不可能だ。
構成レベルで間違った文章はいくら表現をいじってもわかりやすい文章にはならない。論理的に破綻しているのだから当然である。
それはボタンを掛け違えたのをごまかすようなものである。素人目は騙せても玄人目はだませない。
そのような無駄な努力はやめるべきだ。
重要なのは論理的整合性である。それさえ取れていればいわんとすることの概略の60%は伝わる。あとはそれを100%に近づけるよう表現を練っていけばよい。そして時間さえかければ表現などいくらでも練ることができる。
ということで書けないときは、まず骨格だけ作り、あとはしばらく寝かしておくという方法をおすすめしたい。
じつはこの文章も寝かせた状態のものである。なのであちこち不自然な部分があると思うが、しばらくご容赦いただきたい。
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。