今の仕事はなくなるの?
猫の手もいらなくなるのかにゃ?
このページにたどり着いた方であればすでにご存知かもしれませんが、AI(人工知能)やロボットの発達によって、現在ある仕事の多くが将来なくなるといわれています。
正確さ、繰り返し作業への耐性、パワーなどで人間の能力を圧倒的に凌駕するAIやロボットが仕事の現場に導入された場合、人間の労働者は不要となりお払い箱になってしまう可能性があるからです。
これについて英国オックスフォード大学と野村総研が共同で行った調査によると、2025年から2035年にかけて、日本の労働者の49%がAIおよびロボットに代替される可能性があるといわれています。要するに半分近くの仕事が将来、なくなるという予測です。
これを驚きととらえるか、当然とみるかは人それぞれでしょう。けれど、いずれにせよ私たちの生活がそれによって大きな影響を受けることは間違いありません。
この記事では、その調査結果をもとに将来、なくなる仕事となくならない仕事をピックアップ、それぞれに簡単な解説をつけてみました。
将来なくなる仕事
上記の研究結果によると、将来なくなる仕事には、
(1)特別の知識・スキルが求められない
(2)データの分析や秩序的・体系的操作が求められる
という特徴があります。
前者はいわゆる単純作業ですから、わかりやすいと思います。けれど後者については「えっ、どういうこと?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか?
後者の仕事はどうみても人間にしかできない高度な頭脳労働だからです。
けれど、ロボットおよびAIの得意なことは何かと考えればこれは当然の結果といえます。ロボットは、繰り返しのような単純作業が得意ですし、一方AIは分析的作業、秩序的操作が得意だからです。
つまり、前者はロボットが代替し、後者はAIが代替する、ということです。
したがって、将来なくなる仕事は、
(1)単純作業
(2)データを扱う仕事
ということになりそうです。
以下、将来なくなるとされる仕事の中から一部をピックアップしてご紹介します。
テレフォンアポインター
将来なくなる仕事の筆頭格にあがっているのが、テレフォンアポインターです。もちろんAI音声ロボットなどに取って代わられる可能性は十分ありますが、それより「突然の売り込みが嫌われること」の方がなくなる理由としてはむしろ大きいのかもしれません。いずれにせよ、将来なくなる可能性は大といえるでしょう。
一般事務員
経理をはじめとする一般事務職は、計算やデータ入力など定型的な業務が多いのが特徴です。そしてAIがもっとも得意とするのもこの分野です。そのため一般事務職もまた将来もっともなくなる可能性の高い仕事の上位にランクされています。
医療事務員
医療事務もAIやロボットによって代替される可能性が高い仕事です。もちろん患者と直接接する仕事はそう簡単に代替されることはないかもしれませんが、会計や事務などの定型的な業務は今後急速に自動化が進むものと思われます。
建設作業員
肉体労働の代表選手のようなイメージがある建設現場でも機械化・自動化が急速に進んでいます。もちろん整然と管理された工場などと違い、乱雑な建設現場を完全に無人化することは難しいでしょう。けれど、一台で何人分もの作業をこなすロボットやAI機器が導入されれば、省力化が進むことは間違いありません。当然ながらその分、人手もいらなくなります。
工場労働者
工場での労働はそもそもタスクが細分化され、規格化された単純作業ですので、自動化がもっとも図りやすい分野です。実際、工場におけるロボットやAIの導入は現状でもかなりの割合で進んでおり、今後完全な無人工場が誕生するのも時間の問題といえるでしょう。
倉庫作業員
倉庫内作業も自動化が著しい分野です。とくにピッキングと呼ばれる棚から商品を取り出す作業に関しては、Amazonをはじめとする大手流通業を中心にすでにロボットが大活躍しています。今後は無人倉庫の中をロボットが走り回る光景が当たり前になるかもしれません。
販売員
販売員も将来なくなる可能性が高い仕事です。そもそもネット通販での買い物が当たり前になり、実店舗そのものが少なくなっています。加えて無人レジが普及すれば、単純に売り場でお客様相手にモノを売ったり、精算するだけの人はますます不要になるでしょう。
宅配便配達員
宅配便配達員の仕事も現在、自動化の試みが急速に進んでいます。なかでも注目されているのがドローン宅配です。ドローンを使えば、高層マンションでも窓から直接荷物を届けることが可能になります。また離島や山間部など通常の配送サービスが困難な地域でも活用が期待されています。こうしたことから宅配便配達もまた将来なくなる可能性の高い仕事のひとつとされています。
データ入力者
音声および文字認識技術の発達により、これまで手入力に頼らざるをえなかった文字起こし作業の自動化が進んでいます。その結果、データ入力も今後、なくなる可能性の高い仕事とされています。
受付係
受付係も今後なくなる可能性の高い仕事です。実際、定型的な受付業務であればロボットでも十分代替可能であることはソフトバンクのロボット、Pepperが証明してくれました。いったん始まったその流れが後退することはもはやないでしょう。また会社の受付嬢などはAIロボットとの代替可能性というより、ジェンダー平等の観点から需要が少なくなるものと予想されます。
レジ係
レジ係は今現在進行形でなくなりつつあります。今やスーパーではセルフレジが当たり前となっていますし、コンビニでも無人レジ化が進んでいます。今後、レジ係という仕事がさらに減少することは間違いないでしょう。
運転手
バスやタクシーなどの運転手も将来なくなる仕事の上位にランクしています。背景には、自動運転技術の急速な進化があります。自動運転には部分的な自動化のレベル1から完全自動化のレベル5までありますが、すでにレベル3が実用化の段階に来ており、レベル5もまもなく射程内に入るといわれています。仮にレベル5の自動運転が実現した場合、バスやタクシーの運転手はもちろん、宅配ドライバーから長距離ドライバーまでもが仕事を失う可能性があります。
営業マン
モノを売る、いわゆるセールスマンという意味での営業マンもなくなる可能性大です。ビジネス分野でもSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)など様々な領域でAIによる自動化が進んでいるからです。また営業をふくむマーケティングが最終的に目指しているのは「売り込みをなくすこと」です。そのため、一方的に商品を売り込むだけの営業マンが将来、淘汰されることは間違いないでしょう。ただし、顧客の課題に向き合い、最適解を提案するなど、より高度なサービスが提供できる営業マンはそのかぎりではありません。
秘書
女性に人気の秘書という仕事もまた将来なくなる可能性が高いようです。スケジュール管理や書類管理などはアプリの発達によってすでにその多くが代替されつつありますが、将来専用AIロボットがでてくればそれがさらに加速すると予想されます。
警備員
オフィスや個人宅では、監視カメラやセンサーによるセキュリティシステムの導入が進んでいます。また大型商業施設では、施設内を巡回する警備ロボットがすでに稼働しています。こうした点からみると警備員もまた将来、淘汰される可能性大といえるでしょう。もちろん人的な対応が必要な部分もたくさんありますので、完全になくなるのはまだ先になるかもしれませんが‥。
給食調理人
給食調理人もまた将来なくなる仕事の上位にランクされています。背景にあるのは、調理ロボットの普及です。とくに給食の場合、大量に同じものを作ることから機械化しやすく、将来、多くの作業が自動化されるだろうと予測されています。
公務員
公務員も将来、淘汰される可能性の高い職業のひとつです。なぜ淘汰されるのか? 理由は定型的な業務、単純作業が多く、その仕事の多くがAIや自動化機械によって代替が可能だからです。もちろん、すべての公務員が職を失うということではありませんが、少なくとも窓口業務やデータ入力のような定型的な業務は必然的にAIに取って代られることでしょう。
スポーツの審判
選手の動きが速いこともあり、スポーツの判定にはしばしば誤審が発生します。けれど、AIなら人間の目では捉えきれないような素早い動きもスローで再生できますし、その判定もより正確に下すことができます。そのため、スポーツの審判という仕事も将来、なくなると予想されています。
パラリーガル
弁護士を補佐するパラリーガルもまた将来なくなる仕事にランクインしています。理由はこれも同様にAIの進歩です。パラリーガルの業務で多いのは、過去の判例を調査する作業ですが、これはAIを使った方が圧倒的に効率的です。また契約書などの文書作成業務もありますが、これもAIによる代替が進んでいます。
モデル
意外なことにモデルも将来なくなる仕事のひとつとされています。AIロボットには絶対代替できない生身の人間なのになぜ、と思うかもしれませんが、理由はこれもAIです。具体的にはAIの活用から生まれたバーチャルヒューマンです。初音ミクの進化形といえば、おわかりいただけるでしょうか‥。かつてはアニメのような姿だったそのバーチャルヒューマンがいまや生身の人間と見分けがつかないほどに進化しており、それに生身の人間が取って代わられようとしているのです。実際、このバーチャルヒューマンを使ったプロモーションを行う企業もでてきており、この調子で行くと、近い将来、人間のモデルは淘汰されてしまう可能性があります。
ウエイターウエイトレス
ひと昔前の飲食店なら必ず見かけたウエイター・ウエイトレス。しかしいまやそれも配膳ロボットに取って代わられようとしています。通常は、厨房とホールを往復しながら料理を運んだり、使用済みの食器を戻したりするだけですが、なかには客に挨拶したり、ジョークを言ったり、歌を歌ったりするロボットまであるそうです。人ではなくロボットが迎える店というのもちょっと寂しい気もしますが、これも時代の流れというものなのでしょう。
テクニカルライター
マニュアルなどの文章を作成するテクニカルライターも将来なくなる仕事にランクインしています。これも背景にあるのはAIの進歩です。具体的には文章作成AIの著しい進歩です。なかでも小説などの文学的文章と違い、論理構造の明確なテクニカルライティングはAIに取って代わられる可能性が高いといわれています。
不動産業者
ブロックチェーン技術によってそれまで人手を介していた煩雑な不動産取引は全て自動化されるといわれています。またそれによって不動産業者の仕事も大幅な効率化が実現できるといわれています。不動産業という仕事自体がなくなることはおそらくないでしょうけれど、その業務内容は今とは大きく変わる可能性があります。
歯科技工士
歯科技工士の仕事もその将来が脅かされています。最大の理由は、口腔内スキャナーと3Dプリンターの進化です。今でも患者の口腔内をスキャンし、3Dプリンターにかければその場で入れ歯や被せ物を作ることができるようになっており、今後その普及が進めば歯科技工士の出番はますます少なくなることでしょう。
料理人
料理人という仕事も将来なくなってしまうかもしれません。背景にあるのは調理ロボットの普及です。それも現時点においてすでに調理ばかりでなく後片付けまで一台でこなしてしまう調理ロボットがあるというから驚きです。すべての料理人がそうなるとはかぎりませんが、メニューが限られたチェーン店などの場合、将来こうした調理ロボットに取って代わられる可能性は大きいといえるでしょう。
ネイリスト
女性に人気の職業、ネイリストも将来なくなる仕事の候補にあがっています。なくなる最大の理由は、ネイルプリンターの普及です。それによって安く手軽にネイルアートを施すことができるようになり、わざわざネイリストのところへ行く必要性が薄れてきているからです。ただしオリジナルなセンスと技術で勝負するネイルアーチストはむしろ「なくならない仕事」リストに挙げられています。
塗装工
塗装工の仕事も将来、かなり淘汰されそうです。工場内で行う塗装作業についてはすでに塗装ロボットが活躍していますし、他の塗装分野においても機械化が急速に進んでいます。とりわけ外壁塗装分野では、ドローンや壁面走行ロボットを使った外壁塗装ロボットの開発も視野に入っており、将来、それが実用化された場合、人力に頼った従来の塗装作業は行き場を失ってしまうでしょう。
銀行員
AIとともに社会に大きな変革を迫っている暗号通貨。なかでもそこから派生したDefi(分散型金融)は金融業界に激震をもたらしています。銀行のような管理者を介さず、しかも国境を越えて金銭のやり取りが自由にできるようになったからです。またクラウドファンディングの普及により資金調達ルートとしての銀行の役割も相対的に縮小しています。このまま行けば、銀行員というより銀行業そのものが淘汰される、もしくは大きな変革を迫られることは間違いなさそうです。
税理士
税理士の主な業務である税務申告書作成や記帳などの大部分は、AIに置き換えることが可能です。そのため税理士も将来なくなる可能性の高い職業とされています。実際、AI導入の先進国であるエストニアには税理士が存在しないといわれています。もちろん税制がシンプルなエストニアと複雑な税制をもつ日本を同格に並べることはできませんが、それでも将来を占う上では注目すべき事実といえるでしょう。おそらく税理士という職業自体はなくならないにしても、仕事内容は今とは大きく様変わりするはずです。
その他の将来なくなる仕事
将来、なくなる可能性が高いとして挙げられている仕事は他にも以下のようなものがあるにゃ!
IC生産オペレーター | 一般事務員 | 鋳物工 |
医療事務員 | 受付係 | AV・通信機器組立・修理工 |
駅務員 | NC研削盤工 | NC旋盤工 |
会計監査係員 | 加工紙製造工 | 貸付係事務員 |
学校事務員 | カメラ組立工 | 機械木工 |
寄宿舎・寮・マンション管理人 | CADオペレーター | 給食調理人 |
教育・研修事務員 | 行政事務員(国) | 行政事務員(県市町村) |
金属加工・金属製品検査工 | 金属研磨工 | 金属材料製造検査工 |
金属熱処理工 | 金属プレス工 | クリーニング取次店員 |
計器組立工 | 検収・検品係員 | 検針員 |
ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く) | こん包工 | サッシ工 |
産業廃棄物収集運搬作業員 | 紙器製造工 | 自動車組立工 |
自動車塗装工 | 出荷・発送係員 | じんかい収集作業員 |
人事係事務員 | 新聞配達員 | 診療情報管理士 |
水産ねり製品製造工 | スーパー店員 | 生産現場事務員 |
製パン工 | 製粉工 | 製本作業員 |
清涼飲料ルートセールス員 | 石油精製オペレーター | セメント生産オペレーター |
繊維製品検査工 | 倉庫作業員 | 惣菜製造工 |
測量士 | 宝くじ販売人 | 鍛造工 |
駐車場管理人 | 通関士 | 通信販売受付事務員 |
積卸作業員 | データ入力係 | 電気通信技術者 |
電算写植オペレーター | 電子計算機保守員(IT保守員) | 電子部品製造工 |
電車運転士 | 道路パトロール隊員 | 日用品修理ショップ店員 |
バイク便配達員 | 発電員 | 非破壊検査員 |
ビル施設管理技術者 | ビル清掃員 | 物品購買事務員 |
プラスチック製品成形工 | プロセス製版オペレーター | ボイラーオペレーター |
貿易事務員 | 包装作業員 | 保管・管理係員 |
保険事務員 | ホテル客室係 | マシニングセンター・オペレーター |
ミシン縫製工 | めっき工 | めん類製造工 |
郵便外務員 | 郵便事務員 | 有料道路料金収受員 |
列車清掃員 | レンタカー営業所員 | 路線バス運転者 |
なくならない仕事
続いて、AIやロボットが発達しても将来なくならない仕事をみてみましょう。
同じく上記の研究結果によると、将来なくならない仕事には、
(1)芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業
(2)他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエー ション、サービス志向性が求められる職業
が挙げられています。
要は、創造性、協調性が必要な業務や定型的でない業務は人工知能等での代替は難しく、将来においても人間が担うことになるだろうということです。
以下、将来なくなる可能性の低い仕事の中から一部をご紹介します。
アートディレクター
アートディレクターは、広告やWEBサイトなどの制作物に対して、そのビジュアル面を取り仕切るいわば司令官です。コンセプトをもとに方向性を考え、デザイナーやコピーライターなどの制作チームを率いてイメージを形にするのが役目であり、実際の作業としては高度な概念操作とリーダーシップがメインになります。そのため、AIに取って代わられる可能性は低いといえるでしょう。
カウンセラー
相談者の悩みを対話を通して解決できるようにするカウンセラーも将来、なくなりにくい仕事です。カウンセリングで重要なのは相談者の感情の動きを把握して共感することですが、AIは言語処理能力には優れていても、感情を理解するのは苦手です。もちろんそのふりはできても真に共感することもできません。したがってカウンセラーという仕事がAIやロボットなどに奪われることは当面、考えられないでしょう。
小学校教員 幼稚園教員
高校以上の教員であればメインとなるのは知識を教えることであり、極端な話、動画によるオンライン講義でも代替可能です。けれど、人間形成のために知識以外のさまざまなことを教えたり、その能力を個別に引き出したりする必要がある小学生や幼稚園児に対してはそうもいきません。そのためには、人間としての感情を十分理解した上で細やかなコミュニケーションを図る必要があるからです。その意味で、小学校教員や幼稚園教員はそう簡単にAIやロボットに代替されることはないといえるでしょう。
小児科医
医師という職業そのものがAIによって完全に代替されることはないにしても、手術ロボットや診断装置の進歩により、今後その仕事内容は大きく変わっていくものと予想されています。一方、小児科医に関しては子供が相手なだけに、小学校教員や幼稚園教員がそうであるように今後も高度なコミュニケーション能力、共感能力が要求されます。その意味で、小児科医もAIやロボットに代替されにくい仕事といえるでしょう。
マンガ家
マンガ家も将来、生き残る職業とされています。絵を描くツールとしてのソフトは目覚しく進歩しているものの、完全自動で漫画を描いてくれるAIロボットが登場するのはまだまだ先の話だからです。仮に登場したとしても、世界観を設計し、ストーリーを生み出すのはどこまでいっても人間の役目です。もちろん、マンガ家も描画ロボットを活用する時代が来るかもしれませんが、それはあくまでもアシスタントとしての活用です。したがってマンガ家という職業自体がなくなることは基本的に考えられません。
柔道整復師
捻挫や打撲、骨折などのケガを治療する柔道整復師、いわゆる接骨院の仕事もAIにとって変わられる可能性は低いとされています。それも当然で、複雑な人間の骨格を微妙な角度から修復するのはいかに進歩したAIロボットであってもそう簡単ではないからです。そもそも施術自体、関節技のようなものも多く、相手がロボットでは患者の方が恐怖心を抱いてしまうでしょう。同様に、整体師やマッサージ師、指圧師などもAIロボットに仕事が奪われる可能性は低いと考えられます。
ミュージシャン
ミュージシャンも将来、AIに代替される可能性の低い仕事です。もちろん演奏技術にかぎれば、AIロボットの方がむしろ上手かもしれません。しかし音楽の真の価値はそうした演奏技術よりも演奏者が醸し出す人間的な情感の豊かさの方にあります。そしてそれはAIロボットがもっとも苦手とするものです。また作曲などもAIによるそれが話題になったりもしますが、感情を理解しないAIが人間を感動させる曲を作るのは不可能とはいえないにしてもかなり高いハードルであることは間違いありません。
商品開発
商品開発の仕事もそう簡単にはAIによって代替されることはないでしょう。というのも消費者が欲しがる商品を開発するには、多くの情報を様々な角度から分析した上で、独創的なアイディアを捻り出さなければならないからです。そして、それはAIだけでは到底担える作業ではありません。もちろん市場データをもとに売れ筋の商品を発見することはAIの方が得意かもしれませんが、新商品となると不確定要素が多いため、過去のデータのみに基づいて判断するAIにとっては難しい作業となります。そのため商品開発という仕事もまた将来、淘汰される可能性は低いといえるでしょう。
俳優
俳優もまたそう簡単になくなることはないとされています。もちろんAIが作り出すバーチャルヒューマンがいつか俳優の代わりに素晴らしい演技を見せる時が来るかもしれませんが、それはまだかなり先の話でしょう。それに仮にそうなったとしてもファンの憧れが生身の俳優を差し置いてすべてバーチャル俳優へ移るということも考えられません。したがって俳優という職業が将来、AIロボットに奪われる可能性はかなり低いといえるでしょう。
スポーツインストラクター
スポーツの技術指導をする専門職であるスポーツインストラクターもAIやロボットなどには置き換えられにくい職業です。そのことは、たとえばダンスを教える際、そのコツを生徒一人ひとりの癖を修正しながら指導することがどれほど難しいかを考えるだけで十分でしょう。仮にそこまでこなせるロボットが将来完成するにしても、それはおそらく50年以上あとのことになるはずです。
その他の将来、なくならない仕事
将来、なくならない可能性が高いとして挙げられている仕事は他にも以下のようなものがあるにゃ!
アウトドアインストラクター | アナウンサー | アロマセラピスト |
犬訓練士 | 医療ソーシャルワーカー | インテリアコーディネーター |
インテリアデザイナー | 映画カメラマン | 映画監督 |
エコノミスト | 音楽教室講師 | 学芸員 |
観光バスガイド | クラシック演奏家 | グラフィックデザイナー |
ケアマネージャー | 経営コンサルタント | 芸能マネージャー |
ゲームクリエーター | 外科医 | 言語聴覚士 |
工業デザイナー | 広告ディレクター | 国際協力専門家 |
コピーライター | 作業療法士 | 作詞家 |
雑誌編集者 | 産婦人科医 | 歯科医師 |
児童厚生員 | シナリオライター | 社会学研究者 |
社会教育主事 | 社会福祉施設介護職員 | 社会福祉施設指導員 |
獣医師 | ジュエリーデザイナー | 商業カメラマン |
助産師 | 心理学研究者 | 人類学者 |
スタイリスト | スポーツライター | 声楽家 |
精神科医 | ソムリエ | 大学・短期大学教員 |
中学校教員 | 中小企業診断士 | ツアーコンダクター |
ディスクジョッキー | ディスプレイデザイナー | デスク |
テレビカメラマン | 図書編集者 | 内科医 |
日本語教師 | ネイル・アーティスト | バーテンダー |
美容師 | 評論家 | ファッションデザイナー |
フードコーディネーター | 舞台演出家 | 舞台美術家 |
フラワーデザイナー | フリーライター | プロデューサー |
保育士 | 放送記者 | 放送ディレクター |
報道カメラマン | 法務教官 | マーケティング・リサーチャー |
メイクアップアーティスト | 盲・ろう・養護学校教員 | 理学療法士 |
料理研究家 | 旅行会社カウンター係 | レコードプロデューサー |
レストラン支配人 | 録音エンジニア | ペンション経営者 |
まとめ
上記のリストはあくまでAI・ロボットとの代替性という観点からみた調査結果です。
しかし、ここで注目すべきなのは、ブロックチェーンやweb3.0、DAOなど新しい技術革新とそれに伴う新しい概念がこのところ続々と誕生していることです。
それを考えると、将来なくなる仕事はさらに増える可能性があるとみるべきでしょう。
いずれにせよこれからは一生、ひとつの仕事にしがみつくのではなく、複数の仕事を重ねていくのが当たり前になると予想されます。
今後は、いわゆる人生二毛作の考え方のもと、誰もがセカンドキャリアを意識して人生設計を組み立てる必要がありそうです。
なかなかたいへんな時代になりそうだにゃ!
この記事を書いた人
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。