私もそうだが、「まとめ」をどう書けばよいのか悩む人は多いようだ。
ではどう書けばよいのか?
それを考えるため、「まとめ」にはそもそもどんな内容が入るのか調べてみた。
ざっと調べたところ以下のような内容が多いようだ。
・結論の再確認(ex.だからそれは〜なのである)
・今後の課題の明確化(ex.今後の解決を待ちたい)
・メリットをしめす(ex.そうすることで〜というメリットが得られる)
・アクション(行動を促す)
・願望(〜であれば幸いである)
このうちアクションの具体的なものとして「メリットを示す」がある。たとえば「これらを覚えればこんなことができるようになります」といったようなものだ。
またオリエンテーションの役目を果たすこともある。
たとえば本などにある「はじめに」では、ここから得られるメリットを明確に示すことでこれからの(長い文章を読むという)ハードルを乗り越えるよう促すようなまとめが多い。また途中のそれは次の章への方向付け(オリエンテーション)を果たすことも多い。そして最後の「終わりに」ではここまで読み進めてきたことに対する感謝などで締めるという形が多い。
ちなみに広告コピーの場合、最後のまとめはその性格上ほぼ例外なくアクションである。
以上、ざっくりいえば、この「まとめ」には、今後の課題につなげたり、なんらかのアクションを促すなど、広い意味での方向付けを示す性質があるとみてもよいだろう。すなわち「まとめ」の第一義的な役割は「オリエンテーション」であるといってもあながち的外れではないようだ。少なくとも実用的な文章ではそう断定しても問題ないのではなかろうか。
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。