小論文は難しくない! 世界一カンタン(?)な小論文の書き方
小論文を書くのは難しくありません。といってもテーマが与えられたそれに限りますが‥。
要は、テーマについて自分がどう思うかを率直に書けばよいのです。極端な話、イエス、ノーだけでもよいのです。テーマについて自分なりの意見を述べるのが小論文である以上、「イエス」もしくは「ノー」という意見表明さえできればそれはもう立派な小論文にほかなりません。
はい、これが世界一カンタンな小論文の書き方です。終わりーー。
いや、もちろん冗談です(笑)。
いうまでもなく、実際の小論文試験でただ一言「イエス」だけの回答をしてしまったら点はもらえないでしょう。そこでもう少し工夫が必要になります。
どんな工夫でしょうか? なぜ「イエス(ノー)」と思ったのか、その理由を述べることです。ただし、当たり前ですが、「そう思うからそう思ったんだ」ではダメです。小論文というのは、論理的思考力を測るための問題でもあります。したがってそこには論理的な筋道がきちんと通っていなければなりません。
筋道を立てて述べるのが難しければ、なぜそう思うのか理由を列挙するだけでもかまいません。ひとつめはなになに、ふたつめはなになに‥というやりかたです。もちろん、理由を列挙するにも論理的思考力が要求されますが、それでも慣れない人にしてみればその方が簡単でしょう。
つまり、与えられたテーマについて「自分はこう思う」を述べた後、「なぜならこうだからだ」と理由を列挙すればよいのです。そうすれば、とりあえず小論文の最低限の形式を満たすことができます。さらに自分なりの考察なり、感想をそこに付け加えれば、それはもう立派な小論文の完成です。
こう考えれば小論文、恐るるに足らずとなるのではないでしょうか。というより小論文に対して尻込みしてしまうのは、それを何かとんでもなく複雑怪奇なものと捉えるからかもしれません。小論文とは何か? それは突き詰めて言えば、問いに対する答えにすぎないのです。
幽霊の正体見たり枯れ尾花という言葉がありますが、何かに苦手意識がある人はそれを実際以上に誇張して考えがちです。そうした苦手意識を払拭するには、それを意識的に単純化し、矮小化するのもひとつの方便といえるのではないでしょうか。
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。