段落の書き方

段落の構造

段落の書き方には一定の「型」があります。この型を覚えると文章作成がぐんと楽になります。

段落は通常、次の三つの部分から構成されています。「主題文」「従属文」「結語文」です。

主題文というのは、その段落で主張したい論点を要約したものです。

その主題文を具体的な事例や根拠を挙げるなりして、より詳しく説明したものが従属文になります。論理的に証明したり、説明したりするわけですから、多くの場合、この部分は複数の文になります。

結語文では主題文で提示した主張を再度表現を変えて念押しします。ただし結語文は必須というわけではなく、主題文と従属文だけの場合も少なくありません(※)。

※ここにある文章(段落)も主題文のみ、もしくは主題文+従属文のみという形式になっています。

これが段落の基本的な構造になります。

なお、結語文では、主題文から発展した新たな結論が提示される場合があります。また、その新たな結論から生じる「ということは?」という問いをつなぎとして、次の段落が(順接、逆説、またはその他の論理形式に基づいて)方向づけられることもあります。

例文

ベーシックインカムは、「定期的」な給付であるべきだ。月一回の給付を主張する論者が多いが、間隔はもっと短くても長くてもいい。重要なのは、毎回の給付額がほぼ同じであることと、そして、その都度、書類に記入したり、列に並んだりしなくても給付されることだ。基礎的保障を実現するためには、予測可能性が欠かせない。ベーシックインカムには、既存の大半の福祉給付と違って、給付が確約されていて、金額も事前にわかっているという利点がある。

ベーシックインカムは「剥奪不能」でもあるべきだ。その受給権は、自由権など、ほかの基本的権利と同様に、法律上の適正な手続きを経ずに剥奪されてはならない。また、ベーシックインカムは、「差し押さえ不能」でもあるべきだ。つまり、受給者の債務不払いを理由とする差し押さえを許すべきではない。これは、経済面での基礎的な保障を提供するための制度だからだ。(『ベーシックインカムへの道』ガイ・スタンディング/プレジデント社)

以下、例文を分析してみます。

ベーシックインカムは、「定期的」な給付であるべきだ。←主題文

月一回の給付を主張する論者が多いが、間隔はもっと短くても長くてもいい。重要なのは、毎回の給付額がほぼ同じであることと、そして、その都度、書類に記入したり、列に並んだりしなくても給付されることだ。基礎的保障を実現するためには、予測可能性が欠かせない。←従属文

ベーシックインカムには、既存の大半の福祉給付と違って、給付が確約されていて、金額も事前にわかっているという利点がある。←結語文

この段落と次の段落は、「並列」という論理形式でつながっています。それは仮に接続詞をはさむとしたら「また」が入ることからもわかるはずです。

(また)ベーシックインカムは「剥奪不能」でもあるべきだ。←主題文

その受給権は、自由権など、ほかの基本的権利と同様に、法律上の適正な手続きを経ずに剥奪されてはならない。また、ベーシックインカムは、「差し押さえ不能」でもあるべきだ。つまり、受給者の債務不払いを理由とする差し押さえを許すべきではない。←従属文

これは、経済面での基礎的な保障を提供するための制度だからだ。←結語文

内容から見た段落の構造

上記、「主題文」「従属文」「結語文」はその内容からそれぞれ「結論」「根拠」「結論」とみなすこともできます。つまり段落というのは間に根拠をはさみ、前後に結論を置いたサンドイッチ構造であるともいえるでしょう。

段落構造のバリエーション

日本の場合、国民性もあるのか、最初に結論を明示せず、根拠から入る例も少なくありません。しかし、これだと最後まで読まないと何を言おうとしているのかわからず、読者にとっては不親切です。小説などの文学的な文章は別として説明文や論説文など論理が重視される文章では、避けた方が無難です。

従属文について

従属文の書き方に決まりはありませんが、通常は次のようなパターンになります。

1、主題文で提示された論点に対する根拠を示す

提示した論点がなんらかの主張である場合、その根拠を示す必要があります。これはその根拠を示すパターンです。根拠の示し方には次のような方法があります。

1、単純な理由列挙
「〜だから」と理由を単純に並べる方法です。

2、演繹法
AはBである。BはCである。だからAはCである、といった一定の論理形式でもってAがCであることを証明する方法です。

3、帰納法
A1はBである。A2もBである。A3もBである。ここからAはBであると推測できる、と述べる方法です(機能法は論理的な証明ではなく、あくまでも「傾向」としての確からしさを導き出すものです)。

2、主題文で示された論点をより詳細に解説する

提示した論点が何らかの概念提示である場合、それをよりわかりやすく説明する必要があります。説明の仕方にはいろいろありますが、通常は具体的な説明文をいくつか並べていくという形式が多いようです。

段落文の抽象度

段落文には普通、次のように抽象度(具象度)の違いがあります。

主題文=抽象度が高い
主題文では通常、論点を大枠的に提示します。したがって必然的に抽象度の高い(抽象的な)表現になります。

従属文=抽象度が低い(具象度が高い)
従属文は主題文で提示された論点をかみくだいて具体的に説明する部分です。したがって必然的に抽象度の低い(具体的な)表現になります。

結語文=抽象度が高い
結語文は従属文での説明を受けて、再度主題文の論点を確認する部分です。したがって必然的に抽象度の高い表現となります。

このように段落内の文は通常、抽象度をめぐる上下運動を繰り返しながら進行することになります。

ちなみにルポルタージュのような臨場感を重視する文章では、エピソードのような具体的な描写から入るケースが多く見られますが、それは主題文を省略し、いきなり従属文から入るため必然的にそうなるといえるでしょう。

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