作文力をつける上で大事なのは、できるだけ多くの文章を読むことである。語彙力を高めたり、言葉の言い回しを覚えるには実際の文章に触れることが欠かせないからだ。
しかし、漫然と読んでいるだけではたいした効果は期待できない。語彙力や表現力はそれなりにつくかもしれないが、構成力はなかなか身につかないからだ。
では構成力が身につく読書の仕方とは?
私がおすすめしたい方法は、文章を読む際、言葉の使い方ばかりでなく、文章の構造にも目を配ることだ。
具体的には「大問」を探すことである。大問というのはすでに繰り返し述べている「作文公式」の「問い」のことである。すべての文章はこの「問い」を起点に論理が展開している。したがってこの問いを把握することはすなわち文章の構造を把握することでもあるのだ。
道を覚えるには今自分がどこにいるのかを把握する必要がある。どこにいるのかわからないままいつのまにか通り抜けてしまっていたというのでは道を覚えることなどおぼつかない。
文章も同様だ。構成力を磨くには文章の構造を把握する必要がある。その第一歩が問いを発見することである。それができてはじめて文章の構造を把握し、理解することができるし、そうしてこそはじめてそこから学ぶことが可能になるのだ。
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。