作文は走る事に似ている

走る事自体は誰にでもできる。しかし正しいフォームで速く走れる人はそう多くない。それにあてもなく走るなら別だが、通常は目的となるゴールがあるわけで、なかにはゴールにたどり着けず、途中で道に迷ってしまう人もいるだろう。さらには正しいスタートダッシュの仕方を知らないため勢いあまってこけてしまう人もいるはずだ。

作文も同じである。いかに美しいフォームで走るかを伝授する本は多いが、肝心なスタートダッシュとゴールまでの道筋を教えてくれる本はほとんどない。なぜか? それらの多くが「天才ランナー」によって書かれているからである。

彼ら天才ランナーにとってスタートダッシュの仕方とか、ゴールへの道筋などは自明の理であり、そんなものは説明するまでもないと思っているのだろう。しかし凡人の場合、そうはいかない。スタートダッシュの仕方、そしてゴールまではどの道のりを走ればよいのかという天才ランナーにとっては当たり前のところから手取り足取り教えてもらわないと一歩も前に進めないのだ。

何を隠そう。その凡人とはこの私である。私もまた書こうとしたその途端に一歩も前に進めず立ち往生してしまうような凡人ランナーだったのである。幸い、凡人なりに努力を積み重ねた結果、今ではなんとかそこそこ書けるようにはなったが‥。

そこでこのブログでは私のような凡人ランナーたちのために、文章作成におけるスタートダッシュの仕方とゴールへの道のりを中心にそのノウハウについて書いていこうと思う。まずは「走り方」の基本をマスターすることが先決だ。それさえマスターすれば、まがりなりにも最低限「伝わる」文章は書けるようになるからだ。美しいフォームで走るためのテクニックを学ぶのは、そうした基本を身に付けた後の課題である。