今日は実際の文を三行作文公式にあてはめる練習をしてみましょう。
あてはめるのは次の文です。たまたま手元にある本の最初の見開きページに載っていた案内文をお借りしました。
大好評「直感」シリーズの第3冊目。今回はなんと、高校数学の超難所、微分積分にスポットを当てます。
ビブンセキブンなんてチンプンカンプン。そんな人たちのために、ハタムラ先生がひと肌脱ぎます。
「学校で教わる前に読んでおきたかった‥」。そう思うこと間違いなしの本です。
さてこの案内文を以下の三行作文公式にあてはめてみましょう。
AはBである
その理由はCである
だからDだよね
最初は「AはBである」の部分です。これは「Aとは何か?」と「(その答えは)Bである」の部分に分けられることは以前の記事で説明した通りです。
そこでまずは「Aとは何か」の部分を探してみましょう。
しかし、みたところ問いの形式になっている表現はなさそうです‥。
こういう場合、問いが裏に隠れていると考えるとよいです。
そうするとこんな問いが隠れていることがわかるでしょう。
「この本の概略は何か?」
次にその答えとなる部分を探してみましょう。
大好評「直感」シリーズの第3冊目。今回はなんと、高校数学の超難所、微分積分にスポットを当てます。
答えとなるのはここですね。
このままでは少し分かりづらいので、問いに対応する答えの形式に直してみましょう。
この本は、大好評「直感」シリーズの第3冊目です。しかも今回はなんと、高校数学の超難所、微分積分にスポットを当てました。
あるいはもっとシンプルに言うならこんな感じでしょうか。
この本は、「直感」シリーズの第3冊目となる本で、今回のテーマは微分積分です。
ここまでの部分を問いと答えの形式に書き直してみましょう。
「この本の概略は何か?」
「『直感』シリーズの第3冊目となる本で、今回のテーマは微分積分である」
次に行きましょう。「その理由はCである」の部分です。
理由となる部分を探してみましょう。‥しかしここも理由らしきものは見当たらないようです。こういう場合、「理由」というより「もっと詳しい説明」と置き換えて考えてみましょう。
では、詳しい説明をしている部分はどこでしょうか?
ビブンセキブンなんてチンプンカンプン。そんな人たちのために、ハタムラ先生がひと肌脱ぎます。
ここです。
真正面からの具体的な説明というわけではありませんが、いちおうの説明になっていることはおわかりいただけるかと思います。
さて次は最後の「だからDだよね」の部分です。
これはどこに相当するのでしょうか?
「学校で教わる前に読んでおきたかった‥」。そう思うこと間違いなしの本です。
ここです。その前に「こういう(わかりやすい)本です。だから‥」という一文が隠れていると考えるとよりわかりやすいでしょう。
最後にこれをできるだけシンプルな公式文に戻してみましょう。
問い
「この本の概略は何か?」
答え
「『直感』シリーズの第3冊目となる本で、今回のテーマは微分積分である」
理由(説明)
「微分積分がチンプンカンプンな人たちのために、筆者がわかりやすく説明した」
まとめ
(だから)「学校で教わる前に読んでおきたかったと思うだろう」
以上で、このサンプル文も三行作文公式にあてはめられることが理解できたかと思います。
文章とは何か? それは問いと答えの連続ドラマだといえるでしょう。
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。