作文の構成術に「序論ー本論ー結論」というのがあるが、あれは案外使いにくい。とくに序論だ。具体的に何を持ってくればよいのか、書き慣れてない人にはなかなか検討がつかない。
ここは序論ではなくオリエンテーションとでも言った方が現代人にはわかりやすいのではないか。あるいは方向指示という名称はどうか?
文章を書くという行為は読者を車に乗せてドライブすることに似ている。そのアナロジーでいえば、ここにあるには、はじめに行き先についてのガイダンス(オリエンテーション)があり、ついで実際にその道筋(本論)を一緒にたどるという流れだ。これの方がわかりやすいように思うが、どうだろう。
一番シンプルな文章は、このオリエンテーション+本論からなる。多くの場合、これで最低限のことは伝わる。必要であれば、これに総括(まとめ)を結論として追加すればよい。
売るためのマーケティングから課題解決のためのマーケティングを提唱する独立系シンクタンク「ミライニウム」を主宰するマーケティング研究者。コピーライター、雑誌ライター、プランナーとして30年以上にわたり、マーケティングの実践および研究を続けている。北軽井沢隣接宣伝研究所所長。