テンプレートでさくっと作る会社案内文

テンプレートを使えば会社案内文は自分で書ける!

会社案内文は企業サイトや事業パンフレットを作る際に欠かせない重要なコンテンツーー。なかでも事業紹介文や商品紹介文は、その出来不出来が営業活動にも大きな影響を及ぼす以上、あだやおろそかにするわけにはいきません。

そのため、その制作にあたっては専門のライターに依頼するのが一般的です。しかしながらそこには見落としがちな問題があります。問題というのはそれが常にベストパフォーマンスを保証するとは限らないことです。なぜならライターといっても玉石混淆であり、優秀な人にあたればよいのですがそうでないとまるで的外れな文章が上がってくることもすくなくないからです。

ではどうすればよいか? 答えは簡単です。自分で書けば良いのです。

会社案内文は自分で書こう!

本来、会社案内文は社長自らが書くべきものです。会社のことを一番よく知っているのは社長自身だからです。少なくとも会社案内文のなかで「何をどう言うか」のうち「何」に関しては人任せにせず、社長自身が自らきちんと洗い出すべきでしょう。

もちろん言葉の使い方やレトリックなどの表現面に関してはプロにかなうはずもありません。なのでその表現部分だけを外注する、つまり社長さんはアウトラインだけを作り、あとはそれに肉付けするリライトという形でライターに外注するというのもひとつの手です。

実際、その方が多くの場合、より的を射た、効果的な会社案内文に仕上がることが少なくありません。さらにいえば、自分で書くというこの方法には社長さん自身が経営戦略の棚卸しができるという副次的なメリットもあります。

外注費のコスト削減と合わせればこれはまさに一石三鳥のメリットといえるでしょう。

そうはいっても、自分で一から文章を作るのはちょっと‥‥という社長さんも多いはずーー。

会社案内文が誰でも簡単に書ける魔法のテンプレート!

そんな社長さんのためにと、実験的に開発したがこの↓テンプレートです。

指示にしたがって穴埋めしていくだけで会社案内文のアウトラインがあっというまに完成するという(おそらく)日本で唯一の会社案内文作成支援ツールです。

会社案内文作成テンプレート ブランドメッセージ→

会社案内文作成テンプレート 企業理念→

会社案内文作成テンプレート 代表者メッセージ→

会社案内文作成テンプレート 商品紹介→

というわけで、以下、早速そのテンプレートをもとにした会社案内文の書き方をご説明していきたいと思います。

ちなみにこのテンプレートは中小零細企業の社長さんばかりでなく、本職のライターさんにも参考になると思います。

テンプレートを使う前の下準備ーー事業分析

まずは下準備です。何事もそうですが、準備もなしにいきなり取りかかるのは賢明ではありません。会社案内文も同じです。しっかりしたものを作ろうと思えば、下準備に十分な時間をかける必要があります。

必要な材料を揃えるため、下の事業分析シートで事業内容の棚卸しをしてみましょう。そうしてそれぞれの質問に対する答えを記入してください。

課題は何か?

御社が解決しようとしている問題はなんですか? 商品(サービス)というのはなんらかの問題に対する解決策です。そしてそれを提供しているのが会社です。

御社の場合、その問題はなんでしょうか? それをここにお書きください。

例:安全安心な農産物がなかなか手に入らない

背景は何か?

その問題の背景は何ですか? 問題の背景には何があるのかを簡潔に記します。

例:大量の農薬で汚染された農産物が多く出回っている。またそうした汚染された農産物を食べることで様々な疾患に悩む人が増えている。

解決策は何か?

問題の解決策は何ですか? ここでは当然のことですが、御社の商品(サービス)が入ります。

例:無農薬・有機栽培の農産物のネット販売

ミッションは何か?

御社の使命は何ですか? その事業を通して社会にどんな貢献をしたいのかをお書きください。

例:安全安心な農産物をより多くの人に提供したい より多くの人を健康にし、笑顔にしたい

あなたの志は?

なぜそれが使命だと考えるのか、その理由をお書きください。事業をはじめるきっかけでもかまいませんし、事業に対する思いでもかまいません。

例:生まれた子供が病弱だったため、健康によい食べ物を探すのに苦労した。そのことをきっかけにこの事業を志した。

将来ビジョンは?

現在の事業の延長として今後、どのような方向を考えていますか? 将来の夢をお書きください。

例:農産物にかぎらず、より多くの健康的な食品を提供できるようになりたい

以上で、準備オーケーです。

会社案内文作成テンプレートの使い方

次に具体的な会社案内文の書き方をテンプレートに沿ってみていきましょう。

いちがいに会社案内文といってもさまざまな文章があります。一般的には、ブランドメッセージ、商品紹介文、社長挨拶などがありますが、実際にはその区別もそれほど明確ではなく、重複した内容が記されることも少なくありません。

ここでは比較的違いがわかりやすい、ブランドメッセージ、社長挨拶文、商品紹介文、企業理念文に絞って説明していきます。

ブランドメッセージの書き方

最初はブランドメッセージです。これは企業または商品(ブランド)の概要を伝えるための文章です。

ここではさっき下準備で用意したものを材料にテンプレートを埋めていきます。

その前に確認しておかなければならないことがあります。それはこのブランドメッセージを書くにあたって柱となる問いは何かということです。なぜなら問いが明確でなければそもそも文章は書けないからです。このことは当サイトが提供しているタカハシ式三行作文術を説明する際、何度も繰り返し強調していることです。

ブランドメッセージの場合、その問いは「私たちの思いは何か?」になります。そしてその答えがここで訴求すべき最大のメッセージということになります。

前提

まず前提です。御社やその商品がなぜ必要とされるのか、その前提となる現状を時代背景などを考慮しながら簡潔に記します。ここは事業分析シートの「課題」もしくは「背景」がそのまま使える場合が多いはずです。必要に応じて加工した上で記入してください。

例:大量の農薬で汚染された農産物が多く出回っている。またそうした汚染された農産物を食べることで様々な疾患に悩む人が増えている。

問い

ここは「私たちの思いは何か」が入ります。ケースバイケースで「私たちは何をすべきか?「私たちの使命は?」などと表現を変えてもよいでしょう。

答え

上の問いに対する答えを入力します。ここには一般に事業分析シートの「答え」と「ミッション」をつなげたものが入ります。

例:無農薬・有機栽培の農産物のネット販売を通して安全安心な農産物をより多くの人に提供したい。

理由

ここにはなぜそれが可能なのか、その根拠を簡潔に記します。

例:有機農家と契約している。また残留農薬のチェックなど安全安心を具体化する管理体制を完備している。

まとめ

ここではミッションの再確認を行います。事業分析シートの「ミッション」「ビジョン」をもとに加工してください。

例:農薬フリーの農産物の提供を通してより多くの人を健康にし、笑顔にしたい

テンプレートが完成したら「アウトラインを書き出す」を押してください。そうすると文章のアウトラインが書き出されます。

これがブランドメッセージのアウトラインになります。あとはこれをもとにさらに読みやすいよう、また印象的なものになるよう表現を工夫してみてください。

会社案内文らしくなるよう表現を工夫する

なおこのままでは通常の散文調の文章であり、コピーとしてみた場合、ややインパクトに欠けるかもしれません。その場合は、順序を入れ替えたり、一部を省略するなどして表現を工夫してみてください。

以下、その一例を挙げてみます。

【原文】

(前提) 21世紀はこれまでとは違う時代だ。

(問い) 私たちの思いは何?

(答え) マーケティングノウハウの提供を通して社会変革を後押ししたい。

(理由) マーケティングには社会を変える力があるから。モノを売る技術から社会を動かす技術へ、マーケティングが変わろうとしている。マーケティングはいまや販売促進という枠を越え、社会変革のツールとしても注目を集めるようになっている。

(まとめ) 私たちはそのノウハウをよりわかりやすく加工した上で、より多くの人たちに伝えることで社会の変革を後押ししたいと考えている。

【倒置文】

(主題) モノを売る技術から社会を動かす技術へーー。 (理由) 今、他のあらゆるものと同様マーケティングもまた大きく変わろうとしています。 いまや販売促進という枠を越え、社会変革のツールとしても注目を集めるようになったマーケティング。

(まとめ) 私たちはそのノウハウをよりわかりやすく加工した上で、より多くの人たちに伝えることで社会の変革を後押ししたいと考えています。

商品紹介文の書き方

次に商品紹介文の書き方についてみていきましょう。

ここでも事業分析は行った方がよいでしょう。その方が、立ち位置がしっかりするし、立ち位置がしっかりすればそれだけ書きやすくなるからです。

さて商品紹介文でも大切なのは問いを明確にすることです。では商品紹介文における問いはなんでしょうか? それは「その商品(サービス)は課題をどう解決するのか?」です。

ここではその問いを柱に解決の方策とその効果を伝えるようにしてください。

導入

まず何が求められている課題なのか? その課題を整理しましょう。

問い

ここは、「課題に対する解決策は?」という定型文が入りますので、記入は不要です。

答え

ここも「この商品である。詳細は以下の通り」という定型文が入ります。

詳細1

「それはどんなものなのか?」という問いの答えを記入します。

詳細2

「それは何を解決するのか(どんなベネフィットがあるのか)?」という問いの答えを記入します。

詳細3

「解決できる根拠は?」という問いの答えを記入します。道具類であれば仕組みや原理、薬品関連であれば成分などがそれに当たるでしょう。

詳細4

「競合品とどこが違うのか?」という問いの答えを記入します。「強み」といってもよいでしょう。「ここがうちの商品の自慢です」という他社商品に負けない部分を記入します。

まとめ

ここはまとめです。ここでは「だからこんなに効果がありますよ」とそのメリットを念押ししてください。なおここでの目的は、読者の購買意欲を喚起することにあります。その目的に沿ったまとめにしてください。

テンプレートが完成したら「アウトラインを書き出す」を押してください。そうすると文章のアウトラインが書き出されます。

これが商品紹介文のアウトラインになります。あとはこれをもとに読みやすいよう、また商品紹介文としてより効果的なものになるよう表現を工夫してみてください。

なお、一般にウエブサイト、とくにスマホのそれにおいては長い文章は嫌われます。そこでウエブサイトの場合、ここの詳細1〜3を単体のコピーとして抜き出してもよいでしょう。その方がだらだらと続く長い文章より格段と読みやすくなります。

代表者メッセージの書き方

次は代表者メッセージです。いわゆる社長挨拶文です。

ここでも事前準備として事業分析は行った方がよいでしょう。事業分析シートの埋め方は前述しましたので省略します。

ここでの問いは「どんな思いで事業をはじめたのか?」(二代目以降の場合は「どんな思いで事業に取り組んでいるのか?」)です。

ここでは社長さんご自身の事業にかける思いを、その人柄とともに伝えるようにします。その際、物語として伝えられるとなおよいでしょう。

導入

まず前提を整理します。どんな思いで事業をはじめたのか(取り組んでいるのか)、その前提となるもの(事実や思い)を記入します。ただし、いきなり前提は何かと問われてもすぐには答えられず悩んでしまう人もいることでしょう。その場合、先に以下の「問い」「答え」「実績」「まとめ」を記入した後、もう一度ここに戻ってきてください。そうすれば答えも浮かびやすいはずです。

問い

ここは、「どんな思いで事業をはじめたのか(取り組んでいるのか)?」という定型文が入りますので、記入は不要です。

答え

その答えを記入してください。

実績

これまでの実績を記入してください。商品の価値を客観的に裏付ける実験結果のようなものでもかまいません。

まとめ

ここで文章をまとめます。通常は「よろしくお願いします」的な決まり文句でよいでしょう。ただし代表者メッセージの目的は、「志に共感してもらう」ことにあります。なので、ここではその目的に沿うような形でまとめてください。

テンプレートが完成したら「アウトラインを書き出す」を押してください。そうすると文章のアウトラインが書き出されます。

これが商品紹介文のアウトラインになります。あとはこれをもとに読みやすいよう、また商品紹介文としてより効果的なものになるよう表現を工夫してみてください。

企業理念文の書き方

最後に企業理念文の書き方についても触れてみます。企業理念文はその内容においてブランドメッセージと明確な区分があるわけではありませんが、「うちの理念はこれだ!」と強くアピールしたい時などに別枠として掲載されるものです。

ここでも事業分析は不可欠です。事業分析シートについてはすでに説明しましたので省略します。

さて次に柱となる問いです。企業理念文の場合、これは「なぜ弊社が存在しなければならないのか?」です。

ここでは事業分析で得られた材料のうち、志、ミッション、ビジョンなどをもとにその問いに答えていきます。

導入

「なぜ弊社が存在しなければならないのか?」という観点から事業分析シートの「背景」をもとに問題を整理します。

問い

ここは、「なぜ弊社が存在しなければならないのか?」という定型文が入りますので、記入は不要です。

答え

答えを総論的に簡潔に記入します。あるいはとりえあず「以下の通り」と方向性を示すだけでもかまいません。その場合、詳細は次の根拠で述べることになります。

根拠

なぜそういえるのか、その根拠を記入します。ここは事業分析シートで得られた「解決」「ミッション」「志」をもとに考えるとよいでしょう。

まとめ

上記の流れを受けてまとめを記入してください。ここで伝えたいメッセージは「弊社の志に共感し、弊社を好きになってください」です。もちろんあからさまにそう書く必要はありませんが、そのような意味合いの表現でまとめるとよいでしょう。

テンプレートが完成したら「アウトラインを書き出す」を押してください。そうすると文章のアウトラインが書き出されます。

これが企業理念文のアウトラインになります。あとはこれをもとに読みやすいよう表現を工夫してみてください。


会社案内文の書き方→

会社案内文の書き方も基本は三行作文術!

以上、会社案内文の書き方のコツを駆け足でみてきました。いわく言い難しの部分が多々抜け落ちているかと思いますが、そこまで詳細に説明すると優に一冊の本が書ける分量になってしまいますので、ここでは割愛させていただきました。恐縮ですが、あとはご自身で工夫なさってください。

ちなみにここで紹介したテンプレートの元ネタというか、ヒントになったのは下のたかはし式三行作文術です。

これはたった三行の文から文章を再構成するという独自のアイディアをベースに筆者が開発した作文術です。具体的なノウハウは有料となりますが、とくにアウトラインの最適な組み立て方や表現の肉付け方法などここで十分説明しきれなかった具体的な工夫についても多くのヒントが得られるはずです。

よろしければ覗いてみてください。 ↓↓↓

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