ウエブに「オシャレなデザイン」が通用しないのはなぜか? そのわけを少し理屈っぽく考えてみた。

アイディアで世界を変える

WEBデザインに対する問題意識

プロのウエブデザイナーにつくってもらった「誰が見てもかっこいい」ホームページ‥。

なのに、どういうわけか売れ行きがいまひとつーー。ネットショップの店長さんからはそんなぼやきの声がしばしば聞こえてきます。

これまでデザインというのは、(少なくともデザイナーという内輪の社会では)「オシャレでかっこいいデザイン」であれば、それに比例して商品も売れるものと信じられてきました。だからスポンサー側もデザインという原価のさだかでない無形のサービスにも喜んでお金を払ってきたわけです。

ところがその「オシャレなデザイン」が、ウエブの世界ではどういうわけか、その神通力を発揮しないのです。どうしてでしょうか?

解き明かす鍵となるのは「関与度」です。

関与度、え、何それ? と思った方も多いことでしょう。じつはこれ心理学用語のひとつで、思い切りざっくりいってしまえば「関心の高さ」のことです。

何だそんな事かとちょっと拍子抜けしてしまうかもしれませんね。しかし、この関与度、じつはマーケティング、とくに広告におけるコミュニケーション戦略においてはきわめて重要な概念なのです。

簡単に説明してみましょう。

一般に人がメディアと接触する際、そこに生じるコミュニケーションには、高関与型と低関与型の2種類があります。

高関与コミュニケーションというのは、対象に高い関心をもって(心を集中させて)向き合っている時に生じるもので、一般にドラマやニュースなどを視聴している時に生じやすいとされています。

それに対して低関与コミュニケーションというのは、(心を集中することなく)注意散漫なままなんとなくメディアに接触している時に生じるもので、とくにドラマの合間のCMを息抜きのつもりで視聴している時などに生じやすいとされています。

 

かっこいいホームページばかりが繁盛しているとは限らない

なぜ?

関与度の問題

 

この両者を比べてみたのが、上の図です。

ではホームページというメディアは低関与、高関与、どちらのコミュニケーションに対応しているのでしょうか?

ここであなた自身のことを振り返ってみましょう。ホームページをみているとき、あなたはどのような気持ちでそれに接していますか。

おそらく大多数の人が上の図でいう「前のめり型」で接しているはずです。

ここまでいえばもうお分かりですね。そう、ホームページは高関与コミュニケーションに対応した高関与型のメディアなのです。

ちなみにそのことはホームページが「プル型」のメディアとされていることからも裏付けられます。

プル型メディアというのは、こちらから能動的に情報にアクセスし、それを引っ張ってくるタイプのメディアのことをさします。

イメージとしては、みずから図書館へ出向き、そこで探した本を興味をもって読みふけるという感じですね。

このように、ホームページというのは、テレビのようにふんぞり返って受動的に情報に接するのではなく、自ら情報を取得しようと前のめりの姿勢で画面と真剣に向き合うタイプのメディアなのです。

ということはーー。

ようするに高関与型に分類されるホームページ(webサイト)ではビジュアル的な情報よりもテキスト情報の方が、また「かっこいいとか、かっこわるいといった」感性的な情報よりも「論理的にどうなのか」といった理性的な情報の方がより重視される傾向にあるということです。

そのため、見た目ばかり凝ったwebサイトをつくっても肝心な商品情報がそれに埋没してしまっては、思うような反応が得られないという残念な結果になってしまうのです。

そして、これこそがウエブにおいて「おしゃれなデザイン」が通用しない最大の理由なのです。

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