いまやブログばかりでなくホームページのプラットフォームとしても定番となったWordPress。人気の秘密は無料で使えることに加え、インストールが簡単にできるという手軽さにもあります。とはいえネットに不慣れな人にしてみればそれでも少々敷居が高いようです。
そこで、今回はそんな超初心者向けに「ムササビでも理解できるよう」なるべくわかりやすくインストールマニュアルを書いてみようと思います。
サーバーの準備
まずWordPressをインストールするためには、サーバーが必要です。
おススメのサーバー会社
このサーバーですが、いったいどれを選べばよいのでしょうか。
結論からいいますとどこでもかまいません。
というのもいまやほとんどのサーバーがWordPressに対応しているからです。
とはいうもののなかには対応していないものもないとはいえないので、事前に確認してから契約するようにしてください。
ちなみにおススメのサーバーは以下の通りです。
月額500円から WordPressの運用なら【コアプレスクラウド】
*契約タイプによってはWordPressが使えないものもあります。
簡単インストール機能がついているサーバーも
それと最近のサーバーには、WordPressの「簡単インストール機能」を備えているところも多くあります。
簡単インストール機能というのは、ここで説明しているような面倒な操作なしに、ほんの数クリックでWordPressがインストールできてしまうというすぐれものです。
ちなみに「手動インストール」と「簡単インストール」で何か違いがあるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。結論からいいますと、違いはほとんどありません。もちろんデータベースのセキュリティ面などで若干の違いはありますが、セキュリティにうるさいお役所や一流企業ならいざ知らず、個人もしくは一般の中小企業が使うのであれば、これらはほとんど無視してもよいレベルの違いです。
ここでは、それでもといいますかなんらかの理由があり「どうしても手動でやりたい!」という奇特な方向けに書いてあります:D
ドメインの準備
サーバーを借りたら同時にドメインも取得しておきましょう。ドメインがないと基本的にWordPressのセットアップはできません。というより、ドメインがなければそもそもホームページとして外部から見ることができません。
おススメのドメイン会社
ドメインの管理会社もサーバー会社と同様いくつもありますので、お好きなところを選べばよいかと思います。
以下はおススメのドメイン管理会社です。
ちなみにロリポップなど一部のサーバー会社では、サーバーを契約した人全員に、http://○○○.lovepop.jp(○○○は好きなものが選べる)といった「サブドメイン」を無償で提供しているところもあります。
ただし、サブドメイン上での運用はなにかと制約もありますので、できれば独自ドメインを取得した上での運用をおススメいたします。
データベース設定
さて、次にやるべきことはデータベースの作成です。WordPressのインストール作業においては、ここが最大の難関になります。なんていうとちょっと脅し過ぎですかね。実際にはそれほど難しくありませんのでご安心ください。というより難しいのはデータベースの中身の方であって、ここでは中身には立ち入らないので難しいも何もありません。ただ手順にしたがって機械的に設定するだけのことですので、要はその手順さえ間違わなければ誰でも作成することができるはずです。
具体的な設定方法に入る前に、まずデータベースとはなんぞやというところから簡単に説明しておきましょう。
データベースとは何か?
答えは、情報の保管庫です。
具体的にはサーバーというパソコンの中のハードディスクの中のデータの集まりであり、1と0からなるデジタルデータであり、最終的に電気信号であります…。などといわれてもちょっとイメージしにくいですよね。
そこで、ここでは図書館をイメージしておいてください。
ただし、データベースの場合、部外者に侵入されてはまずいので、誰でも自由な出入りができる一般に開放された図書館というイメージではありません。
むしろ映画なんかによく出てくる怪しげな企業の厳重にセキュリティチェックされた機密管理室のような部屋をイメージしたほうがよいでしょう。
データベースの設定方法
さてそのデータベースの具体的な設定方法です。
ここではエックスサーバーを例に説明いたします。ちなみにどのサーバーも基本的には同じ作業ですので、まずはここで一般的な作業手順を覚えてしまいましょう。
1. 管理画面(エックスサーバーの場合、サーバーパネル)に入ります
「ログイン」をクリックします。
2. MySQL設定を行います
「データベース」ー「MySQL設定」をクリックします。
MySQL設定画面が出てきます。
タブから「MySQL追加」を選びます。
*図ではすでに複数のデータベースが作成されていますが、はじめて作成する場合、ここは空白となります。
MySQLデータベース名の入力画面が出てきます。
ここでMySQLデータベース名を入力します。
前半部分はID名で固定されていますので、後半部分だけ入力します。
入力するのは適当な英数字でかまいません。ちなみにここは複雑なものほどセキュリティレベルが高くなります。とはいえあまり長過ぎてもなんですので、ほどほどにしておきましょう。○○○○○_wpでもかまいません。あるいは他のデータベースと区別できるよう、○○○○○_xxx1といったものでもよいでしょう。また文字列によっては登録できない場合もありますのでご注意ください。
文字コードは通常はEUC-JPにします。
重要! 忘れずにこのデータベース名をメモしておいてください。後で必要になります。
「MySQLの追加(確認)」をクリックします。
次のような確認画面が出ます。
「MySQLデータベースの追加(確定)」を押します
再度「MySQL設定」ページに戻ります。
「MySQLユーザ追加」をクリックします。
MySQLユーザ追加画面が出てきます。
MySQLユーザIDとして適当な英数字を入力します。●●●●_xxxのような形式になります。
ここも他と区別できるようなものにしておきましょう。
同時に「パスワード」と「パスワードの確認」を入力します。
重要! ここのユーザ名とパスワードは忘れないようメモしておいてください。後で必要になります。
「MySQLユーザの追加(確認)」ボタンを押します。
確認画面が出ます。
「MySQLユーザの追加(確定)」を押します。
「MySQLユーザ追加の完了画面」が出てきます。MySQLユーザの追加はこれで完了です。
次に作成したデータベース(MySQL)にアクセス権を設定します。
そのまま「MySQL一覧」タブをクリックしてください。
いったん「MySQL設定」画面に戻って、そこで「MySQL一覧」タブをクリックしてもかまいません。
データベース(MySQL)一覧が表示されます。
「アクセス権所有ユーザ」の欄にご注目ください。さきほど作成したデータベース(ここでは●●●●_test)に対して「ユーザーはいません」となっているはずです。
次にその横の「アクセス権未所有ユーザ」をご覧ください。リスト表示を開くとさきほど設定したMySQLユーザ名があるはずです(データベースをはじめて作成された方は、すでにデフォルトで表示されているはずです)。
リスト上でそのMySQLユーザ名を選択表示し、「追加」ボタンを押してください。
次のような「MySQLデータベースへのアクセス権の追加を完了しました。」という表示がでたらデータベース作成は成功です。
以上で、データベースの設定は完了です。
WordPressファイルのダウンロード
次にWordPressファイルをダウンロードしましょう。ダウンロードはこちらのサイト上から行えます。
https://ja.wordpress.org/
ページの右側上にあるダウンロードボタンをクリックしてください。
すぐにダウンロードが始まるはずです。ダウンロード先はどこでもかまいません。
ダウンロードしたファイルは圧縮されていますので、解凍の上、保存しておいてください。
解凍の仕方がわからない方は、こちらの記事を参考にしてください→圧縮と解凍
なお過去のバージョンもダウンロード可能ですが、できるだけ最新のものをダウンロードするようにしてください。
WordPressファイルのアップロード
次はWordPressファイルのサーバーへのアップロードです。
ここでの作業はとてもシンプルです。さきほど解凍して保存しておいたファイルをサーバーの所定の場所にアップロードするだけです。
アップロードはFTPソフトという転送ソフトを使って行います。
【参考】上の画像はMacでよく使われるサイバーダックという転送ソフトの画面です。
このFTPソフトには、FFTPやFileZillaなどいろいろな種類があり、ひとつひとつ説明しているとキリがありませんので、使い方がわからない方は下のリンクを参考にしてください。
アップロードする場所は?
またアップロードする場所は、ルートディレクトリと呼ばれるホームページファイルを設置する基本的なフォルダになります。その中に解凍したWordPressファイル全体(解凍すると現れる「wordpress」という名称のフォルダの中にあるファイルすべて)をそのまま転送すればオーケーです。なおルートディレクトリは「public_html」や「htdocs」「www」など、サーバーによって名称が異なりますので、事前にマニュアルでよく確かめておきましょう。
ちなみに、ルートディレクトリに直接アップロードした場合、WordPressサイトのアドレスはhttp://www.xxx.xx/になります。
これをhttp://www.xxxx.xx/blog/にしたい場合もあろうかと思います。その場合は、上記のルートディレクトリの中に「blog」というフォルダを新たに作成し、その中にWordPressフォルダの中にあるファイル全部を転送してください。
【参考】上図はMacのサイバーダックの場合です。ダウンロードしたファイル(圧縮されている)を解凍し、そこでできたフォルダを開いて、その中にあるファイルすべてをサーバー画面内にドラッグ&ドロップするだけです。
●パーミッションの設定
通常ここはいじらなくてもよいのですが、サーバーによってはパーミッションを変更しなければならない場合もあります。パーミッションの設定もFTPソフトで行います。方法については以下のリンクを参考にしてください。
また設定するパーミッションの値は、通常「705」ですが、これもサーバーによって変わってきますので、サーバーのマニュアルを確認してみてください。
初期設定
アップロードが完了したら、いよいよ詰めの段階に入ります。
まずブラウザからインスートル先のアドレスにアクセスします。
ここでWordPressファイルをどこに置いたか思い出してください。もしルートディレクトリに置いたのであれば、アドレスは http://www.xxxx.xx になります。またルートディレクトリの下にwpというフォルダを作ってそこに置いたのであれば、アドレスは http://www.xxx.xx/wpとなります。
正しいアドレスにアクセスできたら、こんな画面が出てくるはずです。
「さあ、始めましょう!」を押します。
すると、こんな画面が出てきます。
それぞれの項目を埋めていきます。
データベースを作成した際、メモしておいた情報をここに入力します。
忘れてしまった場合、管理画面から調べられるはずですので、そちらで確認してください
ここで問題になるのは、データベースのホスト名です。通常はlocalhostで問題ないのですが、サーバー会社によって異なりますので、マニュアルなどを確認の上、正しいホスト名を入力してください。ちなみにエックスサーバーの場合、mysqlxxxx.xserver.jpという形式になります。
「テーブル接頭辞」は変更せず、そのままでかまいません。
「送信」を押します。
この部分のインストールは無事完了しました、という画面が出てきます。完全なインストール完了まであともうほんの少しです。
「インストール実行」を押します。
初期設定画面が出てきます。
枠内の項目を埋めてください。ユーザー名とパスワードは後で何度も使うことになりますので、忘れないようにメモしておきましょう。なおここで入力した情報は後からいつでも変更できます。
「WordPressをインストール」を押します。
この画面が出てきたらインストールが成功したしるしです。おめでとうございます!
続いて「ログイン」を押してみましょう。
ログイン画面が出てきます。これが今後、長くつきあうことになる入り口ページになります。
ユーザー名とパスワードを入力します。
*さきほど初期設定画面で入力したものです。データベースのそれではありません。
「ログイン」ボタンを押します。
ダッシュボード画面が出てきます。
ここが、WordPressを運営していく際の管理画面になります。記事の投稿や固定ページの追加などはここで行います。またテーマデザインの変更やプラグインの設定といった基本的なカスタマイズ作業もここで行えます。
以上、ひとつひとつ段階を追って見てきましたが、正しくインストールできましたでしょうか?
もしエラー画面が出るようでしたら、どこかでやり方を間違えた可能性があります。その場合は、いさぎよく最初からやりなおしましょう。その際、FTPソフトでいったんWordPressファイルをサーバーから削除した上でやりなおしてください。
えっ? それでもうまくいかない場合はどうしたらよいかって?
いやまあそういう場合は、きっとサーバー自体に何か問題があるか、もともとややこしいサーバーなんだろうと思います。
そういう面倒くさいサーバーはそもそも初心者向けではありませんので、できれば速攻解約してもっと初心者向けのものに乗り換えた方がよろしいのではないかと思いますです。ハイ… :D