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買うツボを刺激する「売れる」キャッチコピーの作り方講座
これは、「稼ぐ人は知っている! 買うツボを刺激する超強力コピーの作り方講座」の最初の部分を抜粋したものです。
【売れるキャッチコピー(インサイトコピー or パワーコピー)を作る上でのポイント】
パワーコピーを作る上でのポイントはふたつあります。
ひとつはAIDMAの理解です。
もうひとつはインサイトの発見です。
【インサイトとは?】
まずはインサイトから見ていきましょう。
インサイトというのは直訳すると「洞察」を「意味する英語ですが、マーケティングの世界では、一般に「人を動かす隠れた心理」といった意味で使われます。消費者自身も気づいていない無意識の欲求といった意味です。
といってもこれでは雲をつかむような話ですので、ここではもう少しわかりやすく「買う気を刺激するツボ」といっておきましょう。指圧や鍼灸でいうあのツボです。そこを刺激されると思わず買いたくなってしまうーーそんなイメージです。
とはいえそれでもまだ抽象的ですよね。
じつはこのインサイト、実際、やたらと抽象的な概念である上、様々な人が様々な定義をしているので、われわれ現場の人間には何がなんだかわからないのが現実です。
そこでここでは独断と偏見を恐れず実用本位でざっくりといってみましょう。
ということでもう少し判りやすい「たとえ」はないものかと探して見たら‥ありました!
言葉です。
何気なく本を読んでいたり、また街を歩いていたりしているとき、特定の言葉だけがやたら目に入ってきた経験はないでしょうか?
たとえば「痩せる」「儲かる」「腰痛」などの言葉です。
なぜやたら目に入るのでしょうか?
それはそれらの言葉が「気になる言葉」だからです。あなた自身がそれにまつわる悩みを抱えているからです。その悩みを解消したいという欲望が心の中にあり、その欲望がそうした言葉に注目するよう無意識の中で働きかけているのです。
同じように「成功」「億万長者」「美人」といった言葉がやたら目に入る人も多いのではないでしょうか。それはそれらの言葉がもつ世界観が自分もそうなりたいという欲望と共鳴するからです。その世界観に自分を「はめる」ことで心の中のインサイトが刺激されるのです。
このように「気になる言葉」「はまる言葉」には、心のツボを刺激する特別な力があります。
ここではその力に注目して、それらをほぼイコール、インサイトと定義したいと思います。
学問的な正確さという観点からみれば、少々ずれた部分もあるかもしれません。しかしこれはあくまでもコピーライティングという特殊な視点からみた、それもざっくりした定義ですので、少々の逸脱はご容赦いただければと思います。
なお人の心をゆさぶる力を持つという点で、これらの言葉はある種のパワーワードということもできます。そこでここではそれらをパワーワードという名称でも呼ぶことにします。
すなわち、「気になる言葉」「はまる言葉」≒「インサイト」≒「パワーワード」という図式です。
<閑話休題>
ユング心理学では、人の無意識の中には元型と呼ばれる一種の情動エネルギーがあるといわれています。それがなんらかの形で刺激されるとその情動が一気に噴出し、その人の行動を支配するといわれています。そして元型はすべての人間が共通して持っているものとされています。
たとえば、そのひとつに「英雄」という元型があります。英雄というのは、困難を乗り越えて勝利する人を象徴するイメージです。苦難に打ち勝ち、最終的に夢を実現する物語に誰もが惹かれるのは誰の心の中にもこの「英雄」の元型があるからだとされています。
その点、インサイトはどこか元型と似ているところがあるようですね。というより、もしかしたらもっとも強力なインサイトは元型なのかもしれません‥。
【AIDMAとは?】
AIDMAは、戦前アメリカのコピーライターが広告制作のためのヒントとして開発したもので、生活者が商品情報に接してから購買にいたるまでの心理的プロセスを示したものです。マーケティングの世界では購買行動モデルという名称でも知られています。
AIDMA 理論によれば、消費者はまず広告情報や店頭陳列などによって商品を認知し (Attension)、興味を抱き (Interest)、ついで欲しいという欲求が喚起され (Desire)、さらにそれを記憶し (Memory)、最終的に購入に踏み切る(Action)とされています。
なおMemoryの代わりにConviction(確信)がくることもあります。
もともと広告制作用に開発されたことからも判るように、これはコピーライティングのために作られたモデルでもあります
実際、次からみていくようにこのAIDMAはいまやコピーライターなら必ず知っておくべき常識のひとつとなっています。
【AIDMAで分析するコピーの役割分担】
一口とコピーライティングと言ってもいろいろな種類があるのはみなさんもご存知かと思います。
そこにはキャッチコピー、ヘッドライン、タイトル、リードコピー、ボディコピーといった似たような言葉がいくつかあります。
ただし、その違いはそう気にしなくて大丈夫です。じつのところそこには多くの重複があるからです。つまり実際には同じものをたんに別の言葉で呼びならわしているだけなのです。
ここではとりあえずキャッチコピーとボディコピーのふたつだけ覚えておいてください。
キャッチコピーというのは、一般に商品名と同じかそれ以上に目立つように配置されている比較的短めのフレーズです。
ボディコピーというのは、一般に商品の詳細を説明した比較的長い文章です。
通常、コピーといった場合、両者を合わせたものを指します。
そして両者にはそれぞれの役割があります。両者が組み合わさり、それぞれの役割を果たすことで「商品を売る」という最終的な目的が達成できるように設計されているのです。
さてでは、それぞれの役割とはいったいなんでしょうか?
次のような役割です。
キャッチコピー=読者の注意を引き、ボディコピーに誘導する
ボディコピー=商品の魅力を伝え、商品を買わせるよう説得する
これはAIDMAに当てはめてみるとより判りやすいでしょう。
ご覧のようにキャッチコピーは「A」「I」に、ボデイコピーは「D」から「A」までに対応することが判ります。
一般にキャッチコピーというと多くのひとはモノを売るための言葉という意味で捉えていますが、正確にいえば間違いです。
キャッチコピーはモノを売るための言葉ではありません。その名の通り、読者の注意を引く(キャッチする)のが本来の役割です。
モノを売る役割を担うのはボディコピーの方です。
ただし、最近はキャッチコピー単体で、売る役割までカバーしたものも増えています。情報の洪水のなかにいる現代人にボディコピーまで読んでもらうのがますます難しくなっていることが背景にあるのかもしれません。
例:キムチで痩せる
とはいえそのようなキャッチコピーを作るのは容易ではありません。注意を引くことと商品の魅力を伝えるというふたつの役割を短い文の中で同時にカバーしなければならないからです。
しかしこのAIDMAを理解すればそれも不可能ではありません。というより逆にこれを理解しないでそのような一人二役のキャッチコピーを作ることこそ至難の技といえるでしょう。
ともあれ、ここではキャッチコピーとボディコピーが本来別々の役割を持っているということだけ押さえておいてください。
【キャッチコピーに必要な要素】
前段では、キャッチコピーが読者の「注目を集め、ボディコピーへ誘導する」のがその役目であると述べました。
ではそのために必要なものはなんでしょうか?
これはもうお判りですよね。いうまでもなく「Attention」と「Interest」です。
ではそれを実現するための要素は一体なんでしょうか?
それは「パワーワード」と「謎」です。
パワーワードというのは「気になる言葉」「はまる言葉」でしたね。
「気になる」「はまる」というのはまさにAttentionそのものです。
したがってパワーワードにAttention機能があることはご理解いただけるかと思います。
では「謎」とはなんでしょうか?
ここではより正確に「謎を残す」ことと言い直しておきましょう。
人は不完全より完全を求めるものです。人の心の中には完璧を求める一種の衝動があります。ものごとを終わりまでやり遂げないと落ち着かないというのもその表れです。それは情報に対しても同じです。
たとえばテレビ番組を観ている最中、いいところで「続きはCMの後で」とやられたらどうでしょうか?
気になりますよね。
じつは興味というのは、まさにそういう場面に発生します。
謎をかけられたとき、それを解こうとして興味が生まれるのです。
このメカニズムを利用したのが「謎を残す」というテクニックです。
ちなみに心理学用語ではザイガニック効果といいます。
具体的な例でみていきましょう。
たとえばこんなキャッチコピーです。
一週間で痩せた! その秘密は?
ここでは「痩せた」がパワーワードとして「Attention」の役目を、「その秘密は?」が「謎」として「Interest」の役目を担っています。
このようにキャッチコピーにおいては、「パワーワード」と「謎」が、欠かせないふたつの重要なポイントとなります。
今度目にするキャッチコピーをよく調べてみてください。ほとんどがこのパターンでできているのが判るはずです。
とくにいわゆる「煽り系キャッチコピー」はワンパターンなものが多いですから、よりわかりやすいかもしれません。
【ボディコピーに必要な要素】
次はボディコピーです。
前段でボディコピーは、商品の魅力を伝え、商品を買わせるよう説得するのが役割であると述べました。
AIDMAでいえば「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の三つに対応することも述べました。
では、このなかでもっとも重要なものはなんでしょうか?
「Desire(欲求)」です。
「欲しい!」と顧客が思わない限りなにもはじまらないわけですから、これはいうまでもないでしょう。
その意味で、「Memory(記憶)」「Action(行動)」のふたつは補足的なものにすぎません。
ではこの「Desire(欲求)」段階で求められる要素とは一体なんでしょうか?
それは「パワーワード」と「解決策」です。
パワーワードがインサイト、すなわち「買う気を刺激するツボ」である以上、それが不可欠であることはいうまでもないでしょう。
ただし、それだけでは不十分です。ここではそのツボをさらに刺激して買う気を最大限まで引き出してあげることが必要です。「買う気」が十分高まらないかぎり、「Action(行動)」へ橋渡しすることができないからです。それを担うのが「解決策」です。
ではこの「解決策」には一体どんな内容が入るのでしょうか?
それは、その商品を使うことによってどのように解決に至るのか、その道筋を示す具体的な説明です。
顧客にとってここでの最大の関心事は、その商品が本当に悩みを解決してくれるのか、本当に希望を叶えてくれるのか、またもしできるとしたならその可能性はどのくらいなのかというところに絞られています。
したがって、ここではそれを具体的にわかりやすく説明してあげる必要があります。
それを行うのがこの「解決策」です。
以上、ボディコピーにおいて欠かせない重要ポイントが「パワーワード」とその「解決策」であることがお分かりいただけたかと思います。
【コピーライティングで一番重要なのはインサイト(パワーワード)】
コピーライティングの世界にはこんな格言めいた言葉があります。
大切なのは「どう言うか」より「何を言うか」であるーー。
ここでいう「何」とは具体的に何を指しているのでしょうか?
ここまで学んできたみなさんはもうお判りですよね。
そうです。「何」というのは「インサイト」のことです。すなわちパワーワード(とそれにまつわる解決策)です。
また「どう」というのは、そのインサイトをどのように表現するか、ということです。すなわちレトリックです。
つまりこの言葉が述べているのは、コピーライティングで大切なのはレトリックよりインサイト(パワーワード)である、ということです。
そのことはコピーライターとしての私のささやかな経験からもいえます。たとえばネット通販の場合、とくに初期段階では何度も表現を変えて反応率の違いを調べるわけですが、その際、いくらレトリックをいじっても反応率が大きく変わることはほとんどありませんでした。大きな違いが出るのはインサイトにかかわる部分を変更したときだけでした。
もちろんきちんとしたデータに基づいた数字ではありませんが、私の印象では販売力に占める貢献度合いは、インサイトが8割、レトリックが2割というところではないかと思います。
【パワーワード(インサイト)の発見方法】
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