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アクセスが自然に集まり、しかも社会に役立つ記事の作り方
このタイトルを読まれて、あなたはどう思われましたか? そんな上手い方法があるものかと眉に唾をつけた方も多かったのではないでしょうか。
しかし‥ところがどっこいです。それがあるのです。
まず、こちらがその証拠となるサイトのアクセスログです。
ご覧のように、ここには二つしか記事がありません。しかもアクセスがあるのはほとんど片方の記事だけです。これが示すように、私はこのひとつの記事だけでこれだけのPVを稼いでいます。しかも自分自身も驚いているのですが、その数は月を追うごとに増えています。
では、これだけのアクセスを稼ぐ記事とは具体的にどのような記事なのでしょうか?
こちらです。
→http://shopping-labo.com/post-9/
(注:現在、事情によりサイトは停止しております)
言い訳めいてしまいますが、このサイトはものは試しというほんの軽い気持ちで作ったものです。したがって記事以外はほとんど手間暇をかけておりません。手間をかけるほどの価値もないだろうと最初は思っていたのです。
◎アクセスを稼ぎ、しかも世のため人のためになる記事とは?
さて、言い訳はこれくらいにして本題に戻りましょう。
問題のこの記事ですが、そもそもこれは一体何を目的とした記事なのでしょうか。端的にいいますと、これは「オーダーメイド枕の購入を検討している人向けにその選び方を指南するために書いた記事です。
もう少し一般化していえば、どの商品を選んで良いのかわからず困っている消費者向けにその悩みを解決してあげる目的で書かれた記事です。
しかし、なぜそんな記事(以下「買い物支援型記事」といいます)にそれほど多くのアクセスが集まるのでしょうか?
ここには二つほど理由があると私は考えています。
消費者は商品選択に悩んでいる
第一の理由は、世の中にはそうした情報に対する一定の需要があるということです。そして第二の理由は検索エンジンで上位表示されやすいということです。
順を追って説明していきましょう。
まず、一定の需要があるという話からです。なぜそんな需要があるのでしょうか?
背景にあるのは、商品選択に困難を感じる消費者が年々増えているという事実です。
現代社会にはモノやサービスが溢れかえっています。たとえばテレビひとつとっても、数え切れないほどの種類があります。しかし、選択肢が多いということは裏を返せば、自分にふさわしいテレビを選ぶのがそれだけ容易ではないということを意味しています。
もちろん、金に糸目はつけない、あるいは映ればそれで良いという人であればそれほど悩むことはないかもしれません。けれど普通の人はそうもいかないでしょう。限られた時間と予算の枠内で、自分にとって、あるいは家族全員にとっても満足できるだけの「ベスト」なテレビを選ばなければならないからです。これはテレビという商品によほど思い入れのある人でもないかぎり、案外と骨の折れるたいへんな作業です。
テレビひとつとってもそうなのです。ましてやもともとあまり興味のない、しかしどうしても買わなければならないような商品についてはいうまでもありません。
このようにモノが溢れる現代社会は、皮肉にも商品選択で悩むひとを逆に増やす結果となってしまっているのです。
そして、この能力の限界を超えて増え続ける選択肢の多さこそが、こうした買い物支援型記事に対する需要を生み出した最大の要因でもあるのです。
◎ユーザーに有益な情報である
次に検索エンジンで上位表示されやすいという部分について見ていきましょう。
ご存知の方も多いと思いますが、今や検索エンジン対策というのはある意味、死語となっています。表面的な施策だけで上位表示させることは事実上、不可能になっているからです。
かわって現在、検索エンジンで上位表示させる上で最も確実、かつてっとり早い方法は、コンテンツ内容を充実させることです。というより事実上これ以外もはやないといえるでしょう。
上記の記事も特段、検索エンジン対策を意識して書いたものではありません。もちろん、タイトルに<hx>タグを使用するなど基本的なところは押さえていますが、このあたりはホームページ制作における基本的な作法であり、もはや特別な施策といえるほどのものではないでしょう。
けれど、検索エンジンを意識して書いたものではないにも関わらず、記事は現実に多くのキーワードで上位表示を獲得しています。そして、実際そこから多くのアクセスが上がってきています。それは解析ログの参照先キーワードがかなりの数に上っていることからも裏付けられます。
これは何を意味しているのでしょうか。それは意図したわけでないのに、結果として検索エンジン最適化がなされていたということです。
しかし、なぜそんな都合のよいことになったのでしょうか。
検索順位を決めるのが検索エンジンである以上、これは推測でしかありませんが、ひとつには文章量が多いこと、ふたつにはキーワードが適切に含まれていること、そしてこれが一番大事なことですが、内容自体が読者にとって有益だからというのがその理由であろうと私は考えています。
繰り返しになりますが、記事は意識してそうなるように書いたわけではありません。むしろ記事の性格上、必然的にそうなってしまったというのが正直なところです。複数の商品を扱う以上、文章量が長くなるのは当然ですし、商品名はもちろん、商品ブランド名や関連するキーワードがそれなりの頻度で出てくるのもやはり当然のことです。
しかも、読者の買い物支援というのが記事のコンセプトである以上、読者にとって有益でないはずがありません。となれば、検索エンジンのアルゴリズムやポリシーからいっても上位表示されるのは当然だし、むしろされない方がおかしいと言ってもよいのではないでしょうか。
ということは、このタイプの記事そのものが、検索エンジン上で上位表示されやすい形式なのだと結論付けてもよいのかもしれません。
◎具体的な書き方
さて、ではこの「買い物支援型記事」ですが、どのように作ったらよいのでしょうか? 以下、もうすこし具体的に説明していきましょう。
といっても、難しく考える必要はまったくありません。
基本的には、複数の商品を取り上げた上で、それらをできるだけ客観的に評価していくという、ただそれだけのことです。
つまり、アフリエイトサイトなどでよく見られる、一商品だけを取り上げて、それを売らんかなの目線で独断と偏見でレビューしていくのではなく、複数の商品を同時に取り上げ、しかもそれらを客観的な基準をもとに購買者目線でレビューしていくということです。
要するにこれから商品を購入しようと考えている人向けに、どの商品を選んだらよいのか、そのための判断基準や選択のヒントなどを教えるということです。
ひと昔前、自動車評論家とかオーディオ評論家とか呼ばれる人たちがいましたが、これはそうした評論家が書く記事と基本的に同じです。そうした評論家の書く記事がなぜ多くの人に読まれたのか、なぜそれだけの価値があったのかといえば、それは彼らの書く記事が商品選択のための手がかりを読者に提供してくれたからです。この記事も同様です。すなわち商品選択のための手がかりを読者に提供するというところにこそこの記事の価値があるわけです。
またこの記事は、一種の「まとめサイト」のようなものと考えても良いかもしれません。まとめる対象が特定の商品であるというだけで基本的な考え方は一般のまとめサイトと何ら変わらないからです。ちなみにまとめサイトというのは、複数のブログ記事などをひとつのテーマのもとでまとめたサイトのことです。キュレーションサイトとも呼ばれています。
ただ、いずれにせよ忘れてならないのは購買者の目線です。これからその商品を買おうと思っている人に対して、役に立つ情報を提供するという購買者側に立った視点こそがこの記事の肝になります。それさえ、押さえればあとはどんな形式でもかまわないでしょう。読者にとってできるだけわかりやすい記事になるよう、各自それぞれ工夫してみてください。
◎ポジショニングマップを活用しよう!
ここで記事を作る際に役立つヒントをひとつお教えしましょう。それはポジショニングマップの視点を取り入れることです。
ポジショニングマップというのは、市場における自社商品の位置付けを知るために用いられるマーケティングツールです。これを利用すると、商品の市場での位置付け、すなわち差別化のポイントが一目瞭然でわかるというメリットがあります。
詳しくはこちら→https://www.marketingbank.jp/special/cat07/138.php
では、ポジショニングマップを記事に活用するメリットとは一体何でしょうか?
それは、読者にとって分かりやすい記事になるということです。 今述べたようにポジショニングマップというのは、商品の市場における位置付けを分析するものであり、もともとは企業が行うマーケティングのために開発されたツールです。
しかし、企業にとって有益なツールであるのならば消費者にとっても有益なツールであるはずです。なぜなら市場における商品の位置付けを示すという点ではそれらは基本的に同じものだからです。それは同じコインの裏表にすぎません。そこにあるのは企業側から見るか消費者側から見るかという視点の違いだけです。
このように、ポジショニングマップの視点を取り入れると商品を選ぶ際のポイントが消費者にも明確に見えてきます。
そして、ポイントが明確になるということは、書く側にとってもそれだけ読者にわかりやすい記事が書けるということでもあります。
そのため、記事を作成する際は、最初にポジショニングマップを作成してみることをオススメします。そうすれば、ポイントの明確な分かりやすい記事が書けることでしょう。
◎どんな商品が狙い目か?
次にどんな商品が狙い目なのかについて考えてみましょう。
これは検索エンジン上での表示順位がポイントになりますので、ここでは検索する際のキーワードに置き換えて考えてみたいと思います。
ということで、もう一度問い直します。ここではどんなキーワードが狙い目なのでしょうか?
それは最低限、一定の検索数があり、しかも競争が少ないというのが条件となるでしょう。
逆に誰もが知っていて、検索数の多いキーワード、いわゆるビッグキーワードは、競争が多く上位表示が難しいのが現実です。
先にご紹介したアクセスログの中にほとんどアクセスのない記事がありましたが、あれなどは典型的な失敗例です。
あの記事は「さくらんぼ」に関する記事なのですが、「さくらんぼ」というキーワードは、販売業者が多いということもあり、ライバルサイトがひしめき合っています。そのため生半可な記事を書いたものの埋もれてしまっているというのが現状です。当然、アクセス数も上がりません。
また季節商品でもあるため、 春から初夏にかけては検索数が増えるものの、それ以外の季節はほとんど検索されないという欠点もあります。その点、さくらんぼという特殊なキーワードを選んだのは適切ではなかったと反省しているところです。
二つ目のポイントは、商品ブランドが有名なカテゴリーを選ぶことです。
これは、商品ブランド自体に知名度があるため商品ブランドで検索してもらえる可能性が高まるというのがその理由です。
私の記事の例でいえば、オーダーメイド枕がそうです。オーダーメイド枕業界には、一定の知名度を持つメーカーや商品が多く、検索の際、直接それらの商品ブランド名で検索する人が少なくありません。
そのため私の記事には、「オーダーメイド枕」というビッグキーワードばかりでなく、「○○枕」といった商品ブランド名から流入してくる人もかなりの数に上っています。
またこの場合、その商品ブランドを買おうか買うまいか迷っていて、その商品に関する評判や口コミを探している人が多いようです。
したがって、「商品ブランド名+評判」「商品ブランド名+口コミ」といったキーワードが狙い目になるでしょう。
三つ目のポイントは「緊急商品」」を狙え、ということです。
緊急商品というのは、それまで興味も必要もなかったものの突発的な事情でどうしても購入せざるをえなくなったような商品です。
典型的なのが、病気や怪我、事故やトラブルに関わる商品です。具体的には医療や健康サービス、車や家の修理サービスなどです。
こうした商品については、普段から関心を持って情報を集めている人はそう多くありません。そのため、多くの人が泥縄式に商品を探すものの、どれを選んで良いものかわからず、お手上げという状況に陥っています。
買い物支援型記事は、このような人にとってはまさに大きな助けとなります。場合によっては、それこそ生死を分けるような状況で決定的な貢献をすることさえあるかもしれません。
もっともそう考えると、あまり専門的すぎるものやいわゆるマニアックな商品は適切ではないかもしれません。なぜならそうした商品の場合、読者の多くがすでに十分な知識を持っているからです。
そのような中、中途半端な知識でもって、付け焼き刃のようなサイトを作ったら、かえって重箱の隅を突っつかれてしまうでしょう。
あなた自身十分な知識を持っているのであれば別ですが、そうでなければ専門的すぎる商品やマニアックな商品は避けた方が無難かもしれません。
◎この記事の長所
さて、ここでこの記事の長所をまとめてみたいと思います。
まず最大の長所として挙げられるのは、長期的なアクセスが期待できるという点です。なぜそういえるのでしょうか。それはいつ消えてなくなるかわからない特定の商品ではなく、商品カテゴリー全体、すなわち業界全体を対象にした記事だからです。つまり、商品カテゴリーそのものが消えてなくならない限り、記事は半永久的に読まれ続けるということです。
その点、トレンドアフリエイトなどのように常に新しい記事を書き続ける必要のあるものとは対照的です。一度書いたら半永久的に読まれるというのは、大きなメリットといえるでしょう。
二つ目の長所は、何より読者にとって有益な情報であるということです。儲けるためには嘘でも誇張でもかまわないという姿勢では、そもそも書く方の気持ちがすさんでしまいます。それを思えば、実際に読者の役に立つ記事であるというのは、読者にとってばかりでなく書く側にとっても大きなメリットになります。
世のため人のためになる仕事をしているんだという誇りを持って前向きに取り組めることは記事作成という地道で孤独な作業を息長く続ける上で欠かせない条件の一つだからです。
また三番目の長所として挙げられるのは、その内容が企業にとっても有益であるという点です。消費者の目に自社商品がどのように映っているのかということが、あなたが書いた記事からわかるからです。もちろん、それはあなたの個人的な視点であり、完全に客観的なものとはいえないかもしれません。けれど、それもまた消費者側から見たひとつの視点である以上、やはりそれは企業側にとっても参考にすべき重要な情報のひとつであるといえるはずです。
◎この記事の短所
長所を挙げるなら、短所も挙げなければ不公平です。
なので次に短所を見ていきましょう。
この記事の短所は何でしょうか? 正直、あまり思い浮かばないのですが、ひとつには量産が難しいという点が挙げられるかもしれません。
先の説明でおわかりのようにこのタイプの記事を書くには、商品カテゴリー全体に対する一定以上の知識が必要になります。もっともそれは調べれば済む話ですので、短所というほどのものではないかもしれません。少なくともプロのコピーライターならば、よりよいコピーを書くため、クライアントの商品について詳しく学ぶのは当然のことだからです。
とはいえ、やはり人というのはその向う関心の先がそれぞれ異なるものです。そのため興味の持てない商品については、いくら儲かるとわかっていても、なかなかモチベーションが上がらないのが普通です。
したがって、このタイプの記事を量産するためには、まず何よりも関心の幅が広くなければならないということになります。
じつは私がこれ以上、このタイプの記事を積極的に量産しないのも、それが理由です。もともとモノにはあまり関心が薄かったせいなのか、あるいは年齢を重ねたせいなのか、「どうしても書きたい!」と思えるような商品カテゴリーが最近、あまり見当たらないのです。
そうして、それがこのノウハウを売りに出した理由でもあります。本当に儲かるノウハウであれば、何もわざわざ他人になど教えないで、自分で密かに儲ければいいだけですから‥。
またもうひとつの短所としては、場合によっては複数の商品を購入して実際に使って見る必要があるし、またそれにはかなりのコストがかかるという点が挙げられます。
もちろん、できればすべての商品を自分で試した上で記事を書くに越したことはないでしょうし、理想的にはたしかにそうすべきです。
しかし、それもやり方次第です。十分な知識があれば、すべての商品を実際に試さなくても客観的な評価は可能だからです。例えば、単純にスペックだけを比較してそれに対し、専門家の意見としてコメントを加えていくというやり方でも十分に有益な記事が作れるはずです。
◎広告掲載には若干の注意が必要
次に注意点を一つ挙げておきます。
それは広告の扱いです。アクセス数が上がってくれば、当然ながら広告効果も上がってきます。媒体としての広告効果が上がってくれば、そこにより多くの広告を入れたいと思うのは、運営側としては当然の心情でしょう。
しかし、ここで注意しなければならないのは、特定の商品に偏った広告をしてはならないということです。特定の商品の広告が目立つと記事の公平性が損なわれるからです。記事の公平性について、読者はとても敏感です。特定のメーカーからお金をもらっているということがバレてしまえば、読者は記事を信用しなくなります。そうして二度と戻ってはこなくなるでしょう。
そうならないよう、広告掲載に関してはできればAdSenseなど、外部の広告ネットワークにとどめておいた方が良いでしょう。これら外部の広告ネットワークは記事制作者の意図とは無関係にランダムに表示される広告であることが読者もわかっているからです。それらは基本的に記事の公平性を損なうことはありません。
もし特定のメーカーからの広告を掲載するのであれば、そのことに対して但し書きをつけるなりして、記事内容の公平性を損なわないような工夫が必要になります。しかし、但し書きだけで読者を納得させるのはなかなか難しいということは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
◎最後に
世の中には、どうしても必要であるにも関わらず、どの商品を選べば良いのかわからず困っている人が大勢います。
その一方、必要な商品が必要な人のもとに届けられるというのは、それだけで価値のあることです。それは買った人、売った側が幸せになるだけでなく、それによって社会全体も豊かになるからです。 このノウハウを身につけた皆さんが今後、買い物支援型の記事をできるだけ多く書いていただき、またそれを読んだ人がひとりでも多く幸せになってもらえたらと心から願う次第です。