売れるホームページを作るための賢い発注方法

制作会社任せは危険。成功するホームページ、売れるネットショップを作りたかったら発注力を磨きなさい。

誰もが成果の上がるホームページを持ちたいと願っています。にも関わらず、世の中には成果を上げているホームページは意外なほど少ないのが現実です。

なぜでしょうか? 誰もが成果の上がるホームページを作りたいと願っているのに、またそのように努力しているにもかかわらず、どうしてそうでないホームページができてしまうのでしょうか?

結論から言います。それは発注力の違いによるものです。

 

発注力とは「制作会社をつかいこなす能力」

発注力とはいったいなんでしょうか? ここではとりあえずホームページ制作の際、発注側に求められる能力全般をさすものと定義しておきます。 あるいはもっと端的に「制作会社をつかいこなす能力」といってもよいでしょう。

では、その発注力がなぜ重要なのでしょうか? それは発注力が低いとよいホームページが作れないからです。

え、そんなことってあるの? 同じ制作会社であれば、そして同じ制作料金を支払えば、誰が依頼したかに関わらず、みな同じレベルのホームページを作ってくれるんじゃないの? そう思ったあなた、驚かれるかもしれませんが、それがそうではないのです。

じつのところ同じデザイナーであっても、また同じ制作料金であっても、クライアントによってその完成度が大きく変わることはよくある話です。もちろん業界内部のことゆえ、こうした事実は一般の人にはあまり知られていないかもしれません。けれど、制作サイドにしてみれば、そのようなことは珍しくもなんともありません。むしろ当たり前ととらえる人の方が多いはずです。

これはいったい何を意味しているのでしょうか? 制作会社がその時々の気分でもって手抜きをするからでしょうか? いいえ、もちろんそうではありません。それは、ホームページを作る上で、発注者が果たす役割が想像以上に大きいことを意味しています。別の言い方をすれば、制作会社の能力を引き出すのは発注者の力量次第だということです。つまりホームページの出来不出来を決めるのは制作会社の能力が半分、発注者の能力が半分だということです。

効果的なホームページを作る上で、発注力が大切なことはおわかりいただけたかと思います。では、この発注力を高めるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

発注力 その1 制作会社を見極める力と制作会社の分類

まず重要なのが、制作会社を見極める力です。なぜなら、受注する側にその能力がなければよいものをつくることができないからです。

では、制作会社を見極める力とはいったい何をさすのでしょうか? それは制作会社の得意分野と力量を推し測る力です。具体的には、ホームページ制作の工程と制作会社に関する知識がそれにあたります。

HP制作の工程は、普通「企画立案」「デザイン」「コーディング」の三つの作業からなります。これに「プログラミング」や「コピーライティング」「写真撮影」などが必要に応じて追加されます。

以下、それぞれの工程を説明していきましょう。

 

ホームページ制作の工程

企画
サイトの目的を明確にすること、そして、それを達成するためにはどのような表現や構成にすべきか、全体の方向性を決める作業です。建築でいえば設計図に相当するものであり、きわめて重要な作業になります。にも関わらず、ホームページにおいては、さまざまな理由からないがしろにされている工程でもあります。またそのせいで、トラブルの原因になりやすい工程だといもいえるでしょう。

通常、ウエブプランナーの守備範囲となる作業ですが、ときにはデザイナーや営業が担当する場合もあります。

料金相場は、制作総額の10〜20%程度が一般的です。しかし、その重要性があまり認識されていないことから、制作に付随して提供するサービスという感覚のところが多いのが現状です。

またこの企画立案作業に精通した制作会社はあまり多くありません。 企画を重視したホームページを作りたいのであれば、デザイン力ばかりでなく、企画力にすぐれたところを選ぶ必要があります。

 

デザイン

文字通り、サイトのレイアウトや配色など見た目のデザインを決める作業です。建築でいえば、意匠設計に相当するでしょう。

見た目というと、いかにも上辺を飾るだけの作業のように思われますが、そうではありません。ウエブデザインはサイトの操作性やそこでの体験の質にも関わる重要なものであり、そこにはユーザーに目的に沿った行動をさせるための様々な工夫や仕掛けが必要になってきます。すなわち、そこにはたんなる見た目以上の、いわば「その必然性があらかじめ計算されたデザイン」が要求されます。ユーザビリティ、ユーザエクスペリアンスといったウエブデザインの教科書に必ず出てくる言葉がその重要性を示しているといえるでしょう。

したがって発注する際の注意点としては、たんに見た目がかっこいいからとか、好みだからという基準で選んではならないということです。そうではなく、きちんと戦略に沿ったものであるかどうかという基準で選ぶ必要があります。ここはとくにホームページをはじめてつくる担当者の間違いやすいところです。よいデザインとは何かを判別する目利き力がウエブ担当者に求められる理由がここにあります。このあたりは重要な部分ですので、別の章で詳しくご説明いたします。

料金相場は、総額の50〜70%程度です。ただし、これは次に説明する「コーディング作業」も含めた場合の割合です。コーディングを別にした純然たるデザイン作業の場合は当然ですが、もっと低い数字になります。

デザイン料金の算定は、難しいのですが、通常は「基本デザイン料」に各ページごとのデザイン料を上乗せするという形で算定するケースが多いようです。

各ページのデザイン料金ですが、トップページは他のページより高いのが通常です。トップページは、他のページに比べて一番念入りに作る必要があり、その分手間がかかるからです。またトップページ以外でもイラストを多用したページとテキストのみのページでは料金が異なるのが普通です。イラスト作成には、かなりの手間がかかるからです。また複雑なイラストを使う場合は、それ自体、別途料金の対象となります。
コーディング

ホームページは、HTMLという一種のプログラムでできています。プログラムですので、知らない人が見ても、何がなんだかわかりません。その何がなんだかわからないものを書く作業がコーディングです。

このコーディングを自動的に行ってくれるのがいわゆるホームページ制作ソフトになります。そのため、普通はウエブデザイナーがデザインと一緒にコーディングまでやってしまうケースがほとんどです。

けれど、動きのある画面や特殊な操作性をもつページを作る場合など、複雑なコーディングが必要となり、そのためウエブデザイナーだけでは対応しきれないケースが出てきます。そうしたとき、重宝されるのがコーディングを専門にするコーダーと呼ばれる人たちです。コーダーに頼めば、複雑な動きをする画面であっても制作ソフトを使わず、手入力で一から組み立ててくれます。デザイナーとプログラマーのちょうど中間にいる人たちといえるでしょう。

料金相場としては、その難易度によっても変わってくるはずですが、一般的には総制作費の10〜40%程度なのではないでしょうか。

コーダーは、ホームページ技術が高度化する中、専門分化が進んだ結果、生まれてきた新しい職種でもあります。
ただし、コーディング作業そのものは、表示速度に若干の違いが出てくることを除けば、その巧拙が目に見えて現れるケースはそれほど多くありません。またその作業自体、裏方の作業であり、通常、コーダーが発注者と顔を合わせることもめったにありません。

技術

検索システムや予約システム、掲示板など、ホームページに特殊な機能を追加するためのプログラムを開発したり、カスタマイズしたりする作業です。高度で専門的な知識が必要とされる作業で、それを担当する人たちは一般にプログラマーと呼ばれています。

デザイン作業など他の工程とは明確に棲み分けがなされているのが普通であり、ウエブデザイナーがプログラマーを兼任したり、逆にプログラマーがウエブデザイナーを兼ねるというケースはほとんどありません。

その能力に対する希少性が高いこともあり、料金相場は、 ホームページ制作に関わる作業の中ではもっとも高い部類に入ります。デザインや企画であれば質を問わないかぎり、ちょっと勉強すれば誰でも比較的簡単に参入できますが、プログラミングの場合、仕事を受注できるレベルまでなるには相当程度勉強しなければならないからです。

総予算に対する割合は、どんなプログラムを組むかによって天と地ほども変わってくるので一概にはいえませんが、通常は10〜60%といったところでしょうか。

 

発注力 その3 コンセプトを明確にする

さて発注力を高める上で、もっとも重要なポイントはなんでしょうか? それはコンセプトを明確にすることです。コンセプトを一言で言い表すのは難しいのですが、ここではサイトの設計図であると定義しておきましょう。

ではなぜコンセプトがそれほど重要なのでしょうか?

ひとつには、いま定義したようにコンセプトが設計図だからです。当然ながら、ビルや家などは設計図がなければ建てられません。ホームページも同様です。ホームページも設計図となるコンセプトなしにはつくることができません。

二つ目の理由は、コンセプトが曖昧では期待する成果が出せないからです。建築物の場合、耐震性や防火性、さらに居住性能といった建物のパフォーマンスは設計の善し悪しに大きく左右されます。ホームページも同じです。ホームページのパフォーマンスも設計図、すなわちコンセプトによって大きく左右されます。したがって、コンセプトがいい加減なホームページは、そのパフォーマンスもまたいい加減なものになってしまいます。

もうひとつ別の理由もあります。それは、コンセプトが曖昧なままだとトラブルが発生しやすくなるということです。とくにコンセプトを曖昧にしたまま惰性で作ったりした場合、まず間違いなくトラブルに見舞われます。というのも、コンセプトを明確にするということは、どのようなものを作るのかについて、そのイメージや方向性を発注者と制作者が共通認識としてもつことだからです。

一方、コンセプトが明確でないというのは、そうした共通認識がない、あるいはずれている状態をさします。発注側と制作側がそれぞれ別の完成予想図をイメージしている状態です。いわゆる同床異夢です。しかし、これでは完成した後で「これじゃない」とトラブルになるのは当然です。ふたを開けてみたら両者がまるで食い違っているわけですから…。

このようなことにならないためにもコンセプトはあらかじめ明確にしておく必要があるのです。

 

目的を明確にすべし

ではコンセプトを明確にするためにはどうすればよいのでしょうか? もっとも大切なのは目的を明確にすることです。目的というのは、誰に何をどうさせたいのかということです。

順を追って説明しましょう。

「誰」というのは、ホームページを見てもらう相手のことです。すなわちホームページを通して働きかける対象となる人たちのことです。専門用語ではターゲットともいいます。

「何」というのは、そのHPを通して「何」をアピールしたいのか、その何のことです。企業サイトの場合なら、それは自社のセールスポイントであり、ライバル企業とはここが違うという差別化のポイントがそれにあたるでしょう。またネットショップの場合は、そこで販売する商品やサービスそのものということになるはずです。

三つ目の「どうさせる」というのは、ターゲットにどのような反応をしてもらうかということです。たとえばネットショップであれば、自社商品を購入してもらうことでしょうし、飲食店サイトであれば、実際に来店してもらうことがそれに相当するでしょう。

企業サイトであれば、問い合せを獲得することかもしれません。またリクルート用サイトであれば、ターゲットとなる学生に自社の魅力を伝え、応募者を増やすことになるでしょう。これらはサイトの種類によって他にもさまざまなものがあるはずです。

これら「誰に」「何を」「どうさせるのか」の三つを明確にすることで目的もより明確になってきます。と同時に目的を達成するにはどういったサイトをつくればよいのか、その方向性もしだいにみえてくるでしょう。そしてそこに見えてくる方向性こそがじつはコンセプトと呼ばれるものなのです。

ホームページの運営には、目標を明確にすることが不可欠

ついでですので、この目的にからんでできればやっておきたいことをここに記しておきましょう。それは目標を明確にすることです。

これは先ほどの目的と似ていますが、若干違います。目的はたんに方向性を示すものですが、目標は具体的な成果やその量をさすものです。数値目標などといわれるように通常、目標は数字で示すことができます。

ホームページの場合も、できるだけ具体的な数値を目標にすべきです。というのもホームページの場合、その達成度がかなり正確な数値で測れる上、そもそもホームページの運営というのはその達成度をめぐる試行錯誤の繰り返しともいえるからです。

たとえば女性向けのサイトの場合なら、「30代から40代の見込み客となりうる女性1万人の会員登録をサイト開設後1年以内に獲得する」といった目標設定が考えられます。

またこの目標には、いくつかの中間目標が設定できるのが普通です。

たとえば、売上げ1000万円が最終目標であれば、「アクセス数一万人」「商品のコンバージョン率10%」といったものが、最終目標を達成するためにまずクリアすべき中間目標として上がってくるはずです。

こうした目標を設定してはじめて、ホームページ運営の具体的な作業内容が明確になってきます。逆に目標が明確でなければ、ホームページ運営といっても、具体的に何をどうしたらよいのか、その作業の道筋さえつけられないということになってしまいます。

 

コンセプトを多数決で決めてはならない

コンセプトに話を戻しましょう。

さて、ここで注意しなければならないことがあります。それは、コンセプトを多数決で決めてはならないということです。たとえば、小さい会社によくありがちなのですが、社員全員に相談してみんなで決めるようなケースがこれにあたります。一見民主的だし、社員の参画意識を高める上でもよさそうなやりかたにみえますが、あまりおすすめできません。なぜでしょうか?

ピントのボケたサイトになってしまうからです。

人というのは他人に相談を持ちかけられると何かいわなければいけない気がするものです。そのため無理してでも何かをいおうとする人もいます。その結果、たしかに多様な意見があがってくるでしょう。もちろん、それらを参考にするだけであれば、何も問題はありません。むしろそうすべきです。

しかし問題なのはそれらをむやみに採り入れようとすることです。なぜ問題なのでしょうか? 複数の意見をみな採り入れる事など土台無理な話だからです。しかも、それらの意見は個人的な意見でしかない上、そこには通常なんの脈絡もありません。その上、社員といえどもホームページに関しては素人です。そのためそれらは多くの場合、論理的な整合性に欠けたただの思いつきでしかないことがほとんどです。

それにも関わらず、そうした整合性のとれない複数の意見を無理矢理採りいれたら、どうなるでしょう。当然ながら、ポイントの曖昧な、焦点のボケたサイトになってしまいます。

ホームページは、切れ味するどいナイフのようなものでなければなりません。というのも、エッジが立っていないと市場に斬り込むことができないからです。エッジを立てるには、よけいなものは思い切って捨てる必要があります。そうしてはじめて切れ味が鋭くなるのです。

同様に、ホームページもその切れ味を鋭くするためには、コンセプトをできるだけ絞り込む必要があります。もしホームページのコンセプトが十分に絞り込まれていない場合、つまり複数の意見をむやみに採りいれた総花的なホームページの場合、仮により多くの人の目に触れさせることができたとしても、その心の奥深くまで動かすことはできないでしょう。

心を動かすのは、どこにでもある複数のセールスポイントではなく、ここにしかないたったひとつのセールスポイントだからです。人の心に深い印象を刻むのは、ドングリの背比べのような平凡な連峰ではなく、平野に一人屹立する独立峰なのです。ホームページは最大公約数的につくるのではなく、最小公倍数的につくるべきなのです。

 

コンセプトをめぐる構造的な問題

コンセプトの明確化が発注力の肝であることはご理解いただけたかと思います。

繰り返しになりますが、コンセプトが曖昧ではまともなホームページをつくることはできません。ましてや成功するホームページなど望むべくもないでしょう。一方、コンセプトさえしっかりしていれば、表現の一部が少々的外れであっても大勢にはそれほど影響がありません。

影響がないだけでなく、いざというときの修正も容易です。コンセプトというのは骨格のようなものだからです。骨格を修正するのは容易ではありませんが、表面部分の修正であればそれほど難しくありません。

しかしながらこのコンセプトをめぐっては一般にあまり意識されない、しかしホームページ制作に関わるすべての人にとって見過ごしにできない大きな問題が横たわっています。それは、このコンセプトをつくっているのが、現状、多くの場合、発注者側ではなく制作会社であることです。これは本来のありかたではありません。なぜならコンセプト立案は本来、発注者自身が行うべき作業だからです。

なぜ発注者自身が行うべきなのでしょうか。最大の理由は、コンセプトをつくることが簡単な作業ではないからです。コンセプトをつくるには、業務内容はもちろんその市場環境を詳しく調べ上げる必要があります。その上で経営戦略という観点から深い洞察を導きだす必要があります。場合によってはさらに複雑かつ微妙な社内事情も勘案する必要があるでしょう。しかし、いうまでもなくそのような作業は一朝一夕でできるものではありません。ましてや経営戦略のプロでもない一介のウエブ制作会社が生半可なインタビューやヒアリングで導きだせるようなものではないのです。

にもかかわらず、現状ではコンセプト立案作業はウエブ制作会社の仕事ということになってしまっています。これはおかしなことです。考えてもみてください。ウエブ制作会社は、ホームページのプロであっても発注者の業務内容に関しては素人です。もちろん発注者側の複雑かつ微妙な社内事情などは知るべくもありません。なのに、どういうわけか素人であるウエブ制作会社がコンセプト立案という企業経営の根幹にも関わる重要な作業を丸投げされてしまっているのです。これはどうみてもおかしな話です。

これを建築業界と比較してみましょう。

建築業界には設計を担当する建築設計士という国家資格をもつ専門家がいます。そして、建築物を建てる際は必ず設計士に設計図を描いてもらわなければならないよう法律上からも規制されています。そうしないと耐震性や耐火性など建築物の安全性が保たれないからです。

では、ホームページ制作業界には、コンセプト開発士のような専門家はいるのでしょうか。もちろんいます。プランナーという職種がそれにあたります。

しかし問題は、実際のプロジェクトにおいて専門のプランナーをいれるケースがきわめて少ないことです。多くの場合、ウエブデザイナーのみですべての作業を進めてしまうケースがほとんどです。しかもプランナーといっても国家資格ではないためその能力にはばらつきがあります。玉石混淆といってもいいでしょう。そのため仮にプランナーを入れたとしても、どこまできちんとした設計をしてくれたのかどうか、判別が難しいという問題もあります。

これでは建築設計士をいれずに大工さんだけで建物を造っているようなものです。もちろん、平屋の住宅程度であればそれでも問題はないかもしれません。けれど、もしそれが二階建て住宅や大規模なマンションだったらどうでしょうか。危なっかしくてもとてもそんなことはできないはずです。

ところが、ホームページ制作の場合、このような危なっかしいことがまかり通っています。危なっかしいだけならまだよいでしょう。問題はそれによって、不都合なことが実際に生じていることです。

 

コンセプトが的外れなサイトは欠陥サイトである

不都合なこととはいったいなんでしょうか。それは欠陥サイトが生まれてしまうことです。

どういうことか? もう少し具体的に説明してみましょう。

コンセプトがなければホームページをつくれないことはすでに述べました。しかし、実際のところ発注側が事前に明確なコンセプトを提示してくれるケースはほとんどありません。そのためやむをえず制作会社が自分でつくらざるをえないのが現状です。

しかしコンセプト立案は本来制作会社にとって専門外の作業です。いわば素人です。しょせん素人がつくったコンセプトですから、必ずしも的を射たものとはかぎりません。むしろ的をはずしたものであることの方が多いでしょう。

はっきりいいます。

コンセプトが的はずれなホームページは欠陥サイトです。コンセプトというのは、目的を達成するための仕組みです。その仕組みが間違っていたのでは目的を達成することはできません。目的を達成できないということは、期待したパフォーマンスが出せないということです。期待したパフォーマンスが出せない以上、それは欠陥サイトというべきです。

さらにここには、もうひとつ、いや場合によってはそれ以上に大きな問題があります。それは発注側がその欠陥になかなか気づけないことです。なぜ気づけないのでしょうか?

コンセプトは抽象的な概念です。文字にすることはできますが、それを除けば具体的なイメージとして目に見えるものではありません。目に見えるようになるのは、それがデザインに落とし込まれてから後のことです。

しかし、すでに出来上がったデザインがコンセプトを正しく反映しているかどうかを見極めるのはそう簡単ではありません。プロであっても難しいのが現実です。

しかも、企画力のない制作会社にとっては幸いなことに、そして発注側にとっては不幸なことに、制作会社には格好の煙幕があります。デザイン力です。彼らにしてみれば、持ち前のデザイン力でもってコンセプトの曖昧さを覆い隠してしまうことなどいともたやすいことなのです。

もちろん、それでもなおそれは誰の目をも驚かすいかにもインパクトのある、どこにも非の打ち所のないデザインのように見えることでしょう。そして、その驚きを前にした発注者に対して、見た目に目を奪われず、その奥にあるコンセプトの正邪を見極めなさいなどといっても、それはもはやむなしい響きとなることでしょう。

その結果、どうなるかー。

そうです。見た目はよいもののコンセプトが的外れなデザインを選んでしまうというお決まりのパターンに陥ってしまうのです。

世の中に欠陥サイトがあふれているのはそのせいです。多くの人が成功するホームページをつくりたいと願っているにもかかわらず、そうでないホームページを作ってしまう裏には、こうしたコンセプトをめぐる構造的な問題が横たわっているのです。

 

コンセプト開発は外部の専門家に任せるのが得策

ではどうしたらこのような罠にはまらずにすむのでしょうか。まず大切なのは、発注側がコンセプトの重要性をきちんと認識することです。

さらにもし可能であれば、コンセプトを自分でつくることです。そうすれば、あるべきデザインの方向性が発注側にもより明確にみえてくるでしょう。そうなれば、制作会社が提案してきたデザインがコンセプトに基づいたものなのかそうでないのか、発注側にも判断がつくようになるはずです。すくなくとも見た目のデザインだけに騙される可能性は大幅に減るでしょう。

ただし、その際、注意しなければならないことがあります。それはひとりよがりのコンセプトをつくらないようにすることです。コンセプトは客観的な分析にもとづくものでなければなりません。ひとりよがりの偏った分析にもとづくコンセプトでは的外れなものになってしまうからです。

しかし、自分で自分のことを客観視するのは意外に難しいものです。同様に、コンセプト開発を自社だけで行うのはじつのところそう簡単な作業ではありません。

したがって、もし自社でそれを行う自信がないのであれば、コンサルティング会社など外部の専門家に依頼するのが得策です。いやある程度自信があったとしてもむしろそうすべきでしょう。その方が、より客観的でより正確なコンセプトが導きだせるからです。また場合によっては思いもよらなかった洞察や魅力的なアイディアが生まれる可能性もあります。

もちろん、外部の専門家に依頼する以上、相応のコストがかかることは覚悟しておかなければなりません。しかし、それによって売上げが安定的に上がるのであれば、間違いなくその方が得策です。また、失敗して一からやり直すよりはましという考え方もあるはずです。いずれにせよ、長期的にみた場合、その方が、必ず元がとれるはずです。

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